2018年8月16日(木)

ツイッター、衰退か成長か 10~12月期初の黒字

2018/2/9 23:00
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 米ツイッターが8日発表した2017年10~12月期決算は、最終損益が13年11月の上場以来初の黒字に転換した。ただ、損益改善は研究開発や販売促進を重点分野に絞り、コストを抑制してきた効果が大きい。規模の拡大よりも質を重視する「身の丈経営」に転換したともいえるツイッター。フェイスブックなど巨人との差を詰めるチャンスはもうないのか。

 「予想以上だ。自信を持ってこのまま進んでいく」。ジャック・ドーシー最高経営責任者(CEO)は決算発表後の電話会見で力を込めた。10~12月期の最終損益は9107万ドル(約100億円)の黒字。市場の予想を大幅に上回る結果に、8日の米株式市場でツイッター株は前日終値から一時約3割上昇した。米ダウ工業株30種平均が1000ドル超下げるなかでの強烈な逆行高だ。

 しかし、月間利用者が3億人超で伸び悩む状況は変わっていない。10億人超のサービスを複数持つグーグルやフェイスブックとの間には大きな差がある。創業者のドーシー氏が15年にCEOに復帰して進めたのは、この明らかな劣勢という現実を受け入れ、投資効果の薄い分野と強化すべき分野のメリハリをつけることだった。

 10~12月期の研究開発費は約1億3千万ドルと1年前の3分の2に圧縮。アプリの広告やネット通販との連携も選別し販促費を3割減らした。戦線縮小で米国の売上高は5四半期連続で減少し、デジタル広告の米シェアで通販のアマゾン・ドット・コムにも抜かれた。

 ただその一方で、この5四半期、ツイッターを毎日利用する人の数は2桁の伸びを続けている。ドーシー氏はコアな利用者が増えている理由の一つに「情報品質の向上」を挙げた。偽のアカウントなどを自動で発見し検閲するシステムの効果が出ているとする。ツイッターはメディアとしての質を高めることが広告価値の向上につながるとみて、この分野に重点投資を続けてきた。コアな利用者を中心にしたやりとりの頻度が高まり、広告をクリックする比率も向上したという。

 時価総額で20倍以上に開いたフェイスブックとの差を縮めるのは簡単ではないが、新しいサービスが次々に生まれ地図を塗り替えていくのがネットの世界。フェイスブックも北米の利用者が17年末に初めて減少に転じるなど決して盤石ではない。写真共有のインスタグラム、対話アプリのワッツアップなど次世代のサービスを買収してしのいできた面もある。

 最近は機能や世代によって交流サイトのすみ分けも進みつつある。個人や企業が投稿用サーバーを立ち上げるマストドンのような分散型の仕組みも出てきた。規模より質を重視するツイッターの戦略は、こうした変化に適応するためでもある。イベントや事件の速報性、有名人とのつながりといった強みを磨き続ければ、反攻の目がないわけではない。(シリコンバレー=兼松雄一郎)

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