2018年2月19日(月)

東北の地銀4~12月、実質業務純益10%減

金融機関
北海道・東北
2018/2/10 0:00
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 東北6県の地方銀行の2017年4~12月決算が9日、出そろった。本業のもうけを示す実質業務純益は13行・グループ合計で前年同期から10%減った。日銀がマイナス金利を導入して2月で丸2年。貸出金の利回りは下げ止まっていない。ただ、実質業務純益が6行で増加に転じるなど、体力差の違いが鮮明になりつつある。各行とも収益源の多様化などを急ぐ。

 預金と貸出金の利ざやが主な収入源になる資金利益は、13行・グループ合計で2600億円と、マイナス金利導入前の15年4~12月期から4%減。大きな要因が下げ止まらない貸出金利回りだ。日銀によると、東北の地銀の貸出約定平均金利は16年8月から1%を割り込んでいる。経費などを除いた実質業務純益はこの2年間で36%も減らした。

 マイナス金利2年目の17年4~12月期決算をみると、多くの銀行で稼ぐ力は戻っていない。福島銀行は資金利益が増えたものの、国債など債券売却益が大きく減ったため実質業務純益は1600万円の赤字だった(前年同期は2億2000万円の黒字)。北日本銀行は貸出金利息や有価証券利息配当金の減少などが響いて資金利益は2%減った。実質業務純益も51%減らした。

 マイナス金利導入から1年目の16年4~12月期は1行を除いて12行・グループで実質業務純益を減らしたが、2年目となる17年4~12月期は6行が増加に転じた。大きな影響を受けた1年目に比べ、貸出残高を積極的に増やしたり貸出先を見直したりといった工夫でマイナス金利ショックを吸収する銀行が増えてきたようだ。

 東邦銀行は資金利益が0.4%増とプラスに踏みとどまった。法人と個人向けの貸出残高が4%増。「貸し出しのボリュームを増やし、利回り低下をカバーした」。法人関連の手数料収入も下支えした。その一つが私募債発行。受託残高は1月末に500億円を突破した。このため、実質業務純益は10%増と全体で最大の伸び幅となった。

 七十七銀行は資金利益が5%増えた。同行が取り組むのが貸出先の見直しだ。東京や大阪など金利競争が厳しい大都市から東北に融資先をシフトしている。「ロット(額)は小さくても、大都市に比べて金利が高い地方の中小企業向け融資に力を入れた」。その結果、中小向け貸出残高は7%増と伸ばした。実質業務純益も7%増だった。

 マイナス金利の影響は続くとみられ、各行は経営合理化や収益源の多様化を進めている。岩手銀行は1月、窓口やATMの振込手数料を引き上げた。「サービスの維持・向上のため」と説明する。北日本銀行と東北銀行も3月から引き上げる。青森銀行は無料だったフリーローンの新規契約手数料を有料にした。

 大東銀行は18年5月に2支店を廃止し、他店に業務を継承する計画。投資信託や保険商品などの窓口販売にも引き続き力を入れる。フィデアホールディングスは傘下の荘内銀行と北都銀行が東北銀行との業務提携を決めた。3行で顧客基盤やノウハウを共有し、収益力を高める。利ざやに頼ったビジネスモデルが転換を迫られるなか、マイナス金利政策はまもなく3年目を迎える。

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