米上院が歳出上限上げ可決、下院焦点に 予算は一時失効

2018/2/9 16:06
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【ワシントン=河浪武史】米上院は9日未明(日本時間同午後)、国防費や公共事業費を積み増すため、2018会計年度(17年10月~18年9月)と19会計年度の歳出上限を合計3千億ドル引き上げる予算関連法案を可決した。ただ、審議の遅れで連邦政府のつなぎ予算は失効。同日朝までに新法案が下院を通過してトランプ大統領の署名を得なければ、政府窓口は再び一部閉鎖を迫られる。

米上院は71対28の賛成多数で歳出引き上げを可決した。51議席を持つ共和党だけでなく、野党・民主党からも賛成票が集まった。同法案は国防費や公共事業費、教育予算など「裁量的経費」を対象に、18会計年度は法定歳出上限を1430億ドル引き上げ、19年度も同1530億ドル増やす。今年3月23日までの新たなつなぎ予算なども含む。

上院は与野党指導部が7日に歳出引き上げで合意し、つなぎ予算が切れる8日中に法案を可決する見込みだった。ただ、財政保守派のランド・ポール議員が1人で採決を妨害。審議が大幅に遅れて9日0時に予算が失効した。同日朝までに予算関連法案が成立しなければ、連邦政府の一部窓口は再び閉鎖し、許認可などの手続きに遅れが生じる可能性がある。

法案はただちに下院に送られ、9日未明に採決する見込みだ。下院は共和党内の財政保守派「フリーダム・コーカス(自由議連)」が反対姿勢を示すが、公共事業などの積み増しを求めてきた民主党の一部が賛成に回る見込みで、ライアン下院議長(共和)は可決に自信をみせている。

同法が成立すれば、18年度の裁量的経費の上限は、1兆650億ドルから1兆2080億ドルへと13%引き上げられる。共和党が増額を求めていた国防費は800億ドルも積み上がる。米政権は核戦略の指針を見直し、小型核兵器の開発などにも乗り出す方針だ。軍需産業の立て直しも公約しており、米国内での関連投資が加速しそうだ。

裁量的経費の歳出上限は前年度と比べても1割強増える。増額規模は国内総生産(GDP)の0.7%と巨大で、景気押し上げ効果も大きい。米議会は17年末に10年間で1.5兆ドルという巨額減税を決めたばかり。雇用の逼迫など経済の過熱感が強まる可能性もある。

もっとも大型減税で税収は年1千億ドル規模で減る見通しだ。さらに歳出が年1500億ドル規模で膨張すれば、20兆ドルを超す連邦政府債務は急激な悪化が避けられない。米国債の増発によって、長期金利の上昇圧力がさらに高まるリスクもある。

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