2018年10月18日(木)

走ることで「生きた時間」過ごす
編集委員 吉田誠一

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2018/2/13 6:30
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旅に出ると、宿泊先は近隣にランニングコースが取れそうなところにするし、都合がつけば、その地の大会に出てみる。

休暇でロンドンを訪れる直前に近郊の大会を探してみると、距離の短いものがいくつか見つかった。その中から選んだのが2月4日の「オリンピックパーク5K&10K」という小さな大会。

ロンドンで開かれた「オリンピックパーク5K&10K」

ロンドンで開かれた「オリンピックパーク5K&10K」

2012年ロンドン五輪のメインスタジアム(現在はサッカーのウェストハムの本拠地)の隣に1周2.5キロのコースをとり、5キロで終えたい人は2周、10キロを走りたい人は4周する。

エントリーは直前まで可能だし、走る距離は当日、自分で判断できるところがいい。何カ月も前にエントリーが締め切られてしまう大会がほとんどの日本とは違う。

午前9時半のスタートに合わせてランナーがぱらぱらと集まってきて、ゼッケンとタイム計時のためにシューズにつけるタグを受け取る。

「はーい、始めますよ、ヨーイドン」のような感じで始まり、終了すれば参加者はスポーツドリンクやバナナや完走メダル(こんなものまでもらえるとは思っていなかった)を受け取り、さっさと引き揚げる。

練習会の延長のようなものだが、大会で走りたくなったら、ふらりと訪れる環境が豊富に整っているのがうらやましい。散歩にいくみたいなつもりで、気軽に大会に参加できる。この国では大会への参加が特別なことではない。

ランニングが生活の一部に

そこにランニング文化の深さを感じる。ランニングが生活の一部になっている。

大会には何の装飾もないが、運営スタッフの若者がコースに散って激しくエールを送り続けてくれるし、しっかりタイムを計測してくれるのだから、十分だろう。ほかに必要なものはない。

「脚で走るな、心で走れ」と書かれたメッセージはうなずくものばかり

「脚で走るな、心で走れ」と書かれたメッセージはうなずくものばかり

スタート地点に並ぶ看板のメッセージが、ランナーならうなずくものばかりだ。「脚で走るな。心で走れ」「夢ばかり追ってはいけない」。ランニングをよく理解している人が運営しているのがわかる。

参加者は合わせて750人ほど。10キロを32分でゴールする実力者もいれば、2時間を要した人もいる。そこまで最終走者を待ってくれるところが優しい。初心者が臆せず参加できる。

10キロの参加者は男性が300人に対し、女性が250人。米国もそうだが、男女比に大きな差がない。これと比べると、日本は女性の割合がかなり低い。

さて、私の走りはどうだったのかというと、10キロをネットタイムで46分23秒。タイムはよくないが、意外にちゃんと走れたなあと受け止めている。

年末年始に腰痛のため3週間、ランニングを控え、走り始めたのは1月8日。ゆったりペースのランニングばかりで、スピード練習は日本をたつ直前に1度、500メートルのスプリントを4本こなしただけだった。

そんな状態だから、1キロ=5分ペースで楽しく走り、英国の大会を味わえばいいと思っていた。しかし、思っていたよりスピードが出て1キロ=4分30~40秒で走れた。

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