2018年9月23日(日)

クアルコム、13兆円の買収拒否 ブロードコムに書簡

2018/2/9 11:09
保存
共有
印刷
その他

 【シリコンバレー=佐藤浩実】米半導体大手クアルコムは8日、同社の買収をもくろむブロードコムが今月5日に再提案した約13兆円(負債引き受け分を除く)の買収条件を拒否すると発表した。再提案は昨年11月時点の買収額を17%引き上げるものだったが、クアルコムの取締役会は全会一致で「企業価値を大いに下回る」と結論付けた。一方で、ブロードコムのホック・タン最高経営責任者(CEO)に会談を申し入れたことも明らかにした。

ブロードコムが再提案した買収条件を、クアルコムの取締役会は再び「拒否」した(サンディエゴのクアルコム本社)

■「過小評価」書簡を公開

 ブロードコムが1株70ドルから同82ドルに引き上げた買収提案(総額約1210億ドル=約13兆円)での買収案を拒否した。クアルコムのポール・ジェイコブス会長はタン氏宛の公開書簡で「(現在手続き中の)NXPセミコンダクターズの買収や、(アップルなどとの)ライセンス事業をめぐる係争の和解、(次世代通信規格)5Gに伴う事業機会といった要素が考慮されていない」と説明した。

 ブロードコムは5日の再提案で「買収手続きが独占禁止法の審査で1年を超えた場合に株主に保証金を払う」「不成立になったらクアルコムに違約金を払う」といった譲歩もしていた。ただ両社はともに通信分野の半導体が主力で重複事業も多いため、クアルコム側は改めて懸念を表明。「成立しなかった場合、クアルコムは修復不可能な損害を受けることになる」と書簡に記した。

 一方、ジェイコブス氏は書簡の中でタン氏との会談を求めている。「クアルコムの買収のために払える本当の最高額はいくらか」「買収を成立させるためにどんな行動を取ると約束ができるか」などを直接聞くためだという。3月に開かれるクアルコムの株主総会に向けて、両社は株主の委任状争奪戦のまっただ中であるだけに、腹の探り合いが続きそうだ。書簡を公開することで、現状の株価が62ドルでありながら「過小評価」と突っぱねた根拠を株主に提示する意図もある。

 両社をめぐっては昨年11月にブロードコムがクアルコムに1030億ドル(負債除く)での買収を提案。クアルコムが拒否したことで、ブロードコムが12月に独自の取締役候補を立てて委任状争奪戦に突入した。クアルコムが株主に自社を支持するよう呼びかけているさなか、今月5日にブロードコムが買収額の引き上げを提示した。半導体業界で過去最大の金額でのM&A(合併・買収)となり、スマートフォンやデータセンターといったIT産業への影響も大きいだけに、どんな結末を迎えるかが注目されている。

秋割実施中!日経Wプランが12月末までお得!

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報