9/30 13:00更新 マーケット 記事ランキング

時価総額(普通株式ベース)
  • 東証1部 6,318,681億円
  • 東証2部 67,522億円
  • ジャスダック 98,582億円
東証1部全銘柄の指標
連結前期基準予想
純資産倍率 1.24倍 --
株価収益率19.97倍25.37倍
株式益回り5.00%3.94%
配当利回り1.89% 1.67%
株式市場データ

最新の市場情報

「※」は20分以上遅延
日経平均株価(円) 23,263.24 -275.86
日経平均先物(円)
大取,20/12月 ※
23,330 -190

[PR]

マーケットニュース

フォローする

リスク均等に分散投資 株急変で自動売り誘発
ボラティリティーが揺らす市場(上)

2018/2/9 0:54
保存
共有
印刷
その他

米国発の株価急落で下げを加速させたとされるコンピューターによる自動取引。キーワードは「ボラティリティー(価格変動率)」だ。いかにして株価急落の引き金は引かれ、混乱が加速したのかを読み解く。まずはリーマン・ショック後に急激に増加した「リスク・パリティ」戦略。

「5日の米国株急落を受け、米国株の保有比率を半分にした」。こう話すのは、リスク・パリティ戦略をとる投資信託「日米4資産スマートバランス」を運用する損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの平松伸仁シニアインベストメントマネージャーだ。

リスク・パリティとは「リスクを均衡させる」という意味。株や債券など資産ごとの「リスク」を数値化し、それが常に等量になるよう運用する。この場合のリスクは日本語の「危険」とは関係なく、リターン(収益率)の「振れ幅」を意味する。過去の値動きから統計学の標準偏差の概念を使い算出する。

債券や短期金利のようにブレの小さい低リスク資産の配分比率が高くなる一方、株や外債など高リスク資産の比率は低くなる。株価指数先物や国債先物などで運用しており、借り入れでレバレッジを高めることが多い。

国際通貨基金(IMF)によると、リスク・パリティ戦略の運用残高は1500億~1750億ドル(16兆5000億~19兆2500億円)に達する。採用する投資家の裾野は広く、年金基金などの伝統的な投資家もいれば、クオンツ系のヘッジファンドもいる。国内では大手金融機関が主力商品として同戦略を年金や地銀などに提供しており、残高は数千億円規模に拡大しているという。

拡大のきっかけは2008年のリーマン・ショックだ。当時主流だった、株や債券など資産ごとに分散投資する手法では、全ての資産が一斉に値下がりする危機時には歯が立たず、多くの投資家が損失を被った。

そのためリスク量の方を一定にして、それに応じて資産配分を変える投資戦略が注目を浴びるようになった。今回は急落をきっかけに株式のリスク量が他資産に比べて急上昇。リスクを均等にするためには、株式を売却せざるを得ず、これが相場全体の下げを助長した。

リスクを測るボラティリティーは過去の価格変動率が基になる。変動性の指標としては、他に将来の株価予想を映すオプション価格を使い算出する米恐怖指数(VIX)や日経平均VIがあるが、リスク・パリティ戦略が使うのはそれら指標ではない。「予想を指標に使うとリスク量が過大評価されてしまうため、過去の価格変動率で算出する手法が中心」(三菱UFJモルガン・スタンレー証券の古川真氏)という。

今回、動きが大きくなった背景には、同戦略における株式保有比率が上昇していたことがある。古川氏が10年以降に同戦略で株・債券を運用した場合の試算をしたところ、長く低ボラティリティーが続いたことで株式のリスク量が低下、昨年末時点の株式保有比率は12%台と最高水準に達していた。

もっとも2日時点では7%台まで急落しており、その差の5%分は株式先物などでの売却と考えることができる。

まずはリアルタイムで動く戦略が反応したが、週次や月次で配分を見直すファンドもあり、彼らが動くのはこれからだ。損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの平松氏も「高ボラの状況が続けば、月末にさらに株式の保有比率を下げる可能性がある」という。今後も同戦略を通じた売り圧力が意識されそうだ。

一方で、リスク・パリティ主犯説への反論も出ている。同戦略を採用する米運用大手AQRキャピタルマネジメントのクリフォード・アスネス共同創業者は7日、自社サイトでリスク・パリティへの批判を「たわ言だ」と切り捨てた。市場の変動率が高まるなか、リスクに着目した戦略など「機械」が売り手になると考えるのは「間違いとは言えない」としつつも、市場全体を揺るがすほどの運用規模ではないと主張する。

(野村優子)

マーケットニュースをMyニュースでまとめ読み
フォローする

保存
共有
印刷
その他

電子版トップマーケットトップ

マーケットニュース 一覧

フォローする

読まれたコラム