2019年9月22日(日)

背信の三菱マテリアル 品質不正で「あきれた新事実」

(1/2ページ)
2018/2/9 6:30
保存
共有
印刷
その他

子会社3社で新たに不正が発覚し、厳しい表情を見せる三菱マテリアルの竹内章社長(8日午後、東京都文京区)

子会社3社で新たに不正が発覚し、厳しい表情を見せる三菱マテリアルの竹内章社長(8日午後、東京都文京区)

三菱マテリアルの竹内章社長は8日、都内で緊急記者会見を開き、三菱アルミニウムなどグループ3社で新たな品質不正が発覚したことを発表した。顧客の信頼をさらに裏切る格好となったが、竹内社長は問題収拾のために当面続投する意向を表明した。「栄光のスリーダイヤ」の礎を築いた屈指の名門は自浄作用を発揮し、三菱グループとして最も大切にしてきた「社会の信頼」を本当に取り戻せるのか。

「多大なご迷惑をおかけして申し訳ありません」。8日午後の会見で竹内社長は深々と15秒も頭を下げてこう語った。2017年11月24日にグループの三菱電線工業と三菱伸銅での不正を発表してから、竹内社長の謝罪会見は4度目だ。お辞儀の角度が最も深くなったのは無理もない。新たに発覚した不正が驚くほどの内容だったからだ。

不正が新たに発覚したグループ3社は三菱アルミ、アルミ加工の立花金属工業(大阪市)、自動車部品のダイヤメット(新潟市)だ。いずれも顧客の要求を満たさない製品の検査データの書き換えや一部検査の不実施などがあった。5社が出荷した問題製品の取引先は合計で約750社。同じく不正で批判された神戸製鋼所の525社を大きく上回った。

業界関係者をあきれさせたのは、三菱マテ本社の不祥事対応のお粗末さだ。17年11月の不正発表後にも有力子会社で過去に不正があった三菱アルミは社内の特別監査の対象にならなかった。監査が着手したのはほぼ1カ月後だ。認証機関による国際標準化機構(ISO)の取り消し処分などを受けて品質担当の社員らが現場に出向き、1月下旬になって不正を見つけた。それまで「不適合品」の出荷が続いた。

三菱アルミ子会社の立花金属に対する調査はさらに遅く1月15日になってからだ。同業他社の幹部は「あまりにもずさんで、対応が遅すぎる」と指摘する。

三菱マテは今回の問題を受けて2月から国内外の約120拠点で「臨時品質監査」に着手。経営陣は当初、製造拠点に対して「書面調査」などにとどめていた。これが問題の発覚を遅らせた。三菱マテの小野直樹副社長は「最初の時点でさらに踏み込んだ調査が必要だった」と弁明した。

ダイヤメットのデータ改ざん行為は1月24日に三菱マテリアルの社員通報窓口への内部告発で発覚している。ダイヤメットは三菱マテ本体の書面調査にも虚偽の報告をしていたとみられている。竹内社長が謝罪会見で不正の実態を徹底的に究明するとしていたが、それができていなかった。

竹内社長は当初、不祥事について「直接不正行為を行った人間のコンプライアンス意識の低さ」と現場に責任を転嫁するような発言をしていた。だが、本社の経営陣の対応は後手に回るばかり。信頼回復どころか、名門の看板に傷をつける事態を招いている。

三菱アルミニウムの主力工場でも不正が行われていた

三菱アルミニウムの主力工場でも不正が行われていた

三菱マテリアルは三菱グループで特別な存在感がある。三菱財閥の創始者である岩崎弥太郎氏が1871年(明治4年)に鉱山事業に進出してグループの礎を築いた。それだけでなく、竹内社長が三菱マテの会社紹介で誇らしく語っているように日本の近代化に重要な役割を果たしたからだ。

  • 1
  • 2
  • 次へ
保存
共有
印刷
その他

関連企業・業界 日経会社情報DIGITAL

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報

新しい日経電子版のお知らせ

より使いやすく、よりビジュアルに!日経電子版はデザインやページ構成を全面的に見直します。まず新たなトップページをご覧いただけます。

※もとの電子版にもすぐ戻れます。