2018年11月14日(水)

17年の不動産融資、6年ぶり減少 アパートローン失速

2018/2/8 19:18
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低金利下で伸びてきた不動産融資が鈍っている。日銀は8日、全国の銀行による2017年の新規融資額が11兆7143億円と、前年比5.2%減ったと発表した。前年を下回ったのは11年以来6年ぶり。日銀が13年に大規模な金融緩和に踏み切って以来初めてだ。16年はマイナス金利を踏まえ融資増となったが、アパートの過剰建設などゆがみが目立ち、銀行が慎重姿勢に転じた。

不動産向けの新規融資は16年に12兆円を突破。統計を遡れる1977年以来最高となった。日銀が16年にマイナス金利政策を導入したことをきっかけに、長期金利が大幅に低下したことも融資増の追い風となっていた。

17年に前年比減少に転じた主因は、個人が貸家を建てる際のアパートローンの大幅減。不動産向け融資のうち、アパートローンなど個人の賃貸業向けは3兆3202億円と、前年比で14.2%も減った。15年、16年と2桁の増加が続いたが、変調が鮮明になった。

アパートローンの伸びの背景には15年1月施行の相続税制の見直しがある。増税となることがあり、節税策としてアパート建設に踏み切る資産家が急増した。

ただ「節税目的のアパート建設の急増は需要の裏付けを伴っていない」(みずほ証券の上野泰也氏)との懸念があった。金融庁や日銀は供給の急増で空室率が上昇して不良債権化する事態を懸念し、融資急増に警鐘を鳴らしていた。大和総研の土屋貴裕氏は「貸家の需給環境や当局の姿勢も踏まえて、銀行が慎重になった」とみる。

新規融資は減少したが、融資残高はなお高水準。不動産向け貸出残高は昨年12月末時点で74兆7942億円と過去最高だ。銀行の総貸出残高の490兆円のうち不動産の占める割合は約15%。ここ数年続いてきた銀行融資の堅調な伸びの背景には不動産融資の寄与も大きかった。不動産向け新規融資が減る状況が続けば、融資全体の伸びも鈍る可能性がある。

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