2018年2月23日(金)

残業が最も多いのは「運輸業、郵便業」 民間調べ

働き方改革
サービス・食品
2018/2/8 16:46
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 パーソル総合研究所(東京・渋谷)は8日、長時間労働に関する実態調査をまとめた。会社員からの聞き取りに基づいて業種別の残業実態を明らかにしたほか、残業発生のメカニズムなどについても調べた。残業を適切に削減することで短期的な時間当たりの生産性向上につなげるだけでなく、中長期的には人手不足などの課題対策にもつながると見ている。

 東京大学の中原淳准教授との共同研究で、従業員数が10人以上の企業で働く一般的な会社員5千人、係長級以上の上司層1千人を対象に大規模な定量調査を実施した。

 管理職を除く一般的な会社員で残業が最も多い業種は「運輸業、郵便業」(1カ月に30時間以上の残業をしている人の割合は37.7%)で、「情報通信業」(同32.1%)や「電気・ガス・熱供給・水道業」(同32.1%)などインフラ系の業種が続いた。

 上司層で残業が多い業種は「建設業」(同54.2%)、「製造業」(同51.7%)、「運輸業、郵便業」(同50%)だった。「企業の残業抑制施策の結果、上司の残業が増える実態が垣間見える」(中原准教授)と述べた。

 一般的な会社員にサービス残業時間についても聞いたところ、「教育、学習支援業」(1カ月あたり12.26時間)や「不動産業、物品賃貸業」(同11.54時間)が多かった。

 残業発生のメカニズムについても調べた。優秀な部下や上司に仕事が集中する「集中」、職場内の同調圧力で帰りにくい雰囲気がまん延する「感染」、残業時間が60時間を超えると幸福度が増す一方で食欲がないなど健康リスクが高まって正常な判断力が失われる「麻痺(まひ)」、長時間労働の慣習が次の世代にも引き継がれる「遺伝」の実態があることがわかった。

 集中、感染、麻痺、遺伝の循環構造が残業発生につながっており、これらの循環を適切に止めることが残業の抑制につながるという。

 同調査では残業が発生しない組織のマネジメントの特徴や効果的な残業削減対策などについても調べ、提言をまとめている。パーソル総研の渋谷和久社長は「働き方改革で長時間労働是正の機運が高まっているが、残業時間の削減と組織コンディションの向上を両立させるには、どのような取り組みが有効なのか明らかにしたかった」と調査の狙いを語った。

(企業報道部 岩野孝祐)

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