経常黒字リーマン後最大 17年21.8兆円、海外配当けん引

2018/2/8 11:15
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財務省が8日発表した2017年の国際収支統計(速報)によると、海外とのモノやサービスなどの取引状況を示す経常収支は21兆8742億円の黒字だった。黒字額は16年比で7.5%増え、07年以来10年ぶりの高水準となった。好調な海外経済や円安を背景に、企業の海外子会社からの配当金など所得収支がけん引した。

経常収支の黒字額は3年連続で増え、リーマン・ショック前の07年に次ぐ水準となった。

企業が海外子会社から受け取る配当金や投資収益にあたる第1次所得収支の伸びが寄与した。この黒字は9.1%増の19兆7397億円で、15年に続く過去2番目の水準だった。17年平均の円相場は対ドルで1ドル=112円と、16年比で3円ほどの円安水準で推移。これに伴い、ドル建てで受け取った配当金などの換算額が押し上がった。

第1次所得収支のうち、企業が海外子会社から受け取る配当金などの直接投資収益の黒字額は20.8%増の8兆7995億円だった。

輸送や旅行、金融といったサービス取引の収支を示すサービス収支は7061億円の赤字だった。赤字額は4割近く縮小しており、比較可能な1996年以来で最小だった。サービス収支のうち旅行収支の黒字が拡大し1兆7626億円と過去最大だった。訪日客による国内消費が増え、日本人が海外旅行中に使うお金より訪日客が日本で使うお金の方が多かった。

輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は10.8%減の4兆9308億円の黒字だった。数量ベースでは輸出が輸入を上回ったものの、原油価格の上昇に伴って輸入価格が上がった。財務省によると、原油価格はドル建てで前年比30.1%上昇した。

大和総研の広野洋太研究員は「2000年代から直接投資収益の拡大が続く。18年も好調な海外経済を背景に第1次所得収支は拡大する。貿易収支は原油価格の伸びが一服し、緩やかに上昇する」とみている。

財務省が同日発表した17年12月の経常収支は、前年同月比28.5%減の7972億円の黒字だった。原油価格の上昇で貿易収支の黒字幅が縮小した。

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