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強さ支える「狭き門」 控え組の士気を鼓舞
キャンプリポート ソフトバンク

2018/2/7 23:23
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ソフトバンクのキャンプは人口密度が高い。25人の育成を含む1~3軍の全選手がコンパクトにまとまった練習施設にひしめいている。

工藤監督(奥)が見守る中、打撃練習を行う西田=共同

練習風景はユニークだ。室内にはウナギの寝床のような縦長のマシン打撃スペースが並ぶ。傍らでは長い棒やハンマー、メディシンボールなどを使った多彩なトレーニングも同時進行。大人数が効率よく練習できるよう工夫が凝らしてある。

一方で大きな所帯故に、定位置への門戸は狭い。キャンプ直前、工藤公康監督は「全体で始めるけれど横一線ではない」と明言した。指名打者を含む野手9枠のうち、捕手、二塁、右翼以外は日本代表クラスのレギュラーが占める。主将の一塁・内川聖一が「(控えを)はい上がらせてはいけない立場。こちらからチャンスを与えないようにしたい」と言えば、三塁・松田宣浩は「高い壁になって後輩たちを引き離したい」。

残る3枠のうち、最大の激戦区が二塁だ。昨季は一塁で故障の内川の穴を埋めた明石健志に日本一を決めるサヨナラ打を放った川島慶三、実績十分の本多雄一。ここに6年目の高田知季や楽天から移籍した西田哲朗も加わり、定位置争いは混沌としている。体調不良で契約未更改の川崎宗則の不在を感じさせない。

昨季62試合の出場にとどまった本多は「今年は結果を残さないといけない立場」と危機感を隠さない。「最大の課題は打撃」と自覚。人けのなくなったグラウンドで延々と打ち込み、バットでサンドバッグをたたいて力の入るポイントを探し、ヒントを求めて後輩の打撃練習を観察する。

西田は第1クールの12分間走でA組トップの距離を走り、特打や特守でもアピールした。「(定位置争いの)土俵に上がれるようにキャンプを過ごしたい」と意気込む。昨季103試合出場の明石は「どんな形になっても最善の準備をすることは変わらない」。

投手陣も相似形だ。先発ローテーションはエース格の東浜巨、千賀滉大ら5人が決定済み。残る1枠は昨季8勝の石川柊太が最有力だが、そうはさせじと目の色を変えているのが2年目の田中正義だ。5球団競合の末に入団した昨季はキャンプ中に右肩の違和感を覚え、結局1軍登板なしに終わった。今キャンプでは初日から約120球と飛ばし「開幕1軍のためにアピールするだけ。先発で結果を出したい」と意欲的だ。まずはB組からA組への昇格を狙う。

充実した戦力のわずかな隙間。それは王者の"アキレスけん"ではなく、控え組の士気と競争心を鼓舞する装置として機能している。主力に不測の事態が起きようともハイレベルな代役が難なく仕事を果たすソフトバンクの強さは、この狭き門により支えられている。(吉野浩一郎)

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