2018年10月21日(日)

南ア大統領、強まる辞任圧力 副大統領が進退など発表か

2018/2/7 20:00
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【カイロ=飛田雅則】汚職疑惑が絶えない南アフリカのズマ大統領に辞任観測が浮上している。現地メディアによると、ズマ氏は「条件が整えば辞任する用意がある」と周囲に語ったという。はびこる縁故主義や景気低迷などにも国民の反発が強まっている。「ズマ氏は今後辞任する」との観測が広がり、外国為替市場では、通貨ランドが対ドルで上昇している。

辞任を求めるラマポーザ副大統領は6日、ズマ氏と会談した。ズマ氏と大統領の地位や権限の移行などについて話し合った。ラマポーザ氏は7日発表した声明で「大統領との議論は結論に達することができるだろう。今後もより慎重に話し合いを続ける」と言及した。汚職疑惑のあるズマ氏は自身の安全の確保などを求め、辞任のための条件を提示したもようだ。

ズマ氏らが所属する与党のアフリカ民族会議(ANC)は7日に開く予定だった意思決定機関である全国執行委員会(NEC)の臨時会合を延期した。ズマ氏からの権限の委譲など協議を進めるためとされる。

17年12月のANC議長(党首)選では、汚職撲滅を掲げるラマポーザ氏が勝利した。自らが推した候補が敗れズマ氏の求心力に陰りが見えたことで、一気に退陣要求が勢いを増した。

今年2月には野党の要求により、ズマ氏の不信任投票を22日に実施することが決まった。今回は与党からも風当たりは強まっており、不信任案が成立する可能性がある。不名誉な事態を避けるため、ANCの幹部は週初から面談を続け辞任を促したが、ズマ氏は拒否したもよう。

ズマ氏は大統領の座に固執している。退陣すれば汚職疑惑で訴追される恐れがあるためだ。ズマ氏は故マンデラ元大統領と共に、白人政権のアパルトヘイト(人種隔離)と戦った元闘士だが、汚職問題が付きまとう。

05年に武器輸入を巡る汚職疑惑などで副大統領を解任された。女性への暴行疑惑で告訴された過去もある。09年の大統領就任後も公金の流用や、最近ではインド系富豪との癒着などの疑惑が伝えられ、「国家財産を食い物にしている」との批判が広がっている。

南アフリカは金など鉱業が外貨収入の主要手段だが、資源価格の低迷で経済は停滞する。縁故主義がはびこり、若者を中心に失業の増加は深刻だ。ズマ政権は景気低迷の打開に向けた有効な経済対策を打ち出せず、各地でデモが発生している。

仮にズマ氏が退任すれば、副大統領のラマポーザ氏が暫定大統領に就任する見通し。17年12月にANCの議長に就任したことで次期大統領の最有力候補となっていた。汚職対策を掲げており、元実業家としての手腕も期待されている。ズマ氏は退任の条件として汚職疑惑の免責を求めているとされ、ズマ氏の訴追に動けるかも注目される。

ANC内にはズマ派も根強く残る。ズマ派の排除に動けば、アパルトヘイトを撤廃に導いた名門政党が分裂する恐れもある。そうなれば19年の総選挙でラマポーザ氏が率いるANCの苦戦が予想される。過半数を割り込む事態となれば、改革が停滞する恐れがある。

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