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水樹奈々 歌手として女性として、一番変化した6年間

声優アーティストのトップランナーとして活躍を続ける水樹奈々。13万人を動員した全国ライブツアー「NANA MIZUKI LIVE ZIPANGU2017」や出雲大社御奉納公演、帝国劇場上演のミュージカル『Beautiful』への出演など、大車輪の活躍を見せた2017年を振り返りつつ、18年にかけての変化や1月10日に発売したベストアルバムで感じたことを語ってもらった。

1980年生まれ、愛媛県出身。1997年声優デビューを果たし、『ナルト-NARUTO-』『ハートキャッチプリキュア!』『戦姫絶唱シンフォギア』など数々の人気アニメに出演。2000年にシングル『想い』でキングレコードからアーティストデビュー(写真:藤本和史)

「17年は濃厚な1年でした。声優デビュー20周年という節目の年に、歌手、声優として、自分のやりたいことをたくさんやらせていただけるなんて、本当に幸せだなという気持ちでいっぱいでした。

ミュージカルは初めての経験で大きなチャレンジに。ニューヨーク旅行で偶然プレビュー公演を見てものすごく心に残っていた『Beautiful』という作品に、まさか自分が主演として出演するチャンスをいただけるなんて思ってもみなかったこと。それがまた、声優として活動を始めた20周年というタイミングでやってくるなんて、これもご縁だなと思いました。

本当に縁を感じる1年でしたね。『ZIPANGU』ツアーは、初めてラジオのメインパーソナリティーをやらせてもらった故郷的地である名古屋で、1月7日からスタートしました。また、自分の核となっている和のソウルを取り入れ、日本の文化を散りばめたツアーにしたいと、セットも能舞台をイメージしたものを作っていただき、和装に和傘、和太鼓、障子、さらに、会場を回るトロッコも大きな牛車のデザインに。これまで触れてきた私の血肉となっているものをみなさんに見ていただけるステージになったと思います。

このツアーは楽しくてしょうがなかったんです(笑)。幼い頃から憧れていた『紅白歌合戦』の(小林)幸子様のように巨大化するということもやらせていただいて。そして一方ではシンプルに削ぎ落とした、声と1つの楽器のみで音を紡ぐパフォーマンスをすることができたのも、これまで作り上げてきたバンドメンバーとの絆があったからこそだと思います」

「日本と水樹奈々」の結びつきが一層強く

「そんな『日本を思う』ツアー直後には、出雲大社でライブをする機会をいただいて。それもご縁。『音楽と水樹奈々』『日本と水樹奈々』という結びつきが一層強くなった気がして、今まで以上に音楽をストイックに追求していきたいと感じる時間になりました」

水樹の18年のスタートを飾ったのは、ベストアルバム『THE MUSEUM III』だ。自身6年ぶりとなるベストでは、12年発売の26 thシングル『Synchrogazer』から、17年に2枚同時発売したシングル『Destiny's Prelude』『TESTAMENT ‐Aufwachchen Form‐』までの全シングル11曲に加え、T.M.Revolutionとのコラボレーション楽曲や、1月期放送のテレビアニメ『バジリスク ~桜花忍法帖~』のエンディングテーマとして使用される新曲2曲など17曲を収録した。

全17曲を収録。同梱のDVD、もしくはブルーレイには『粋恋』のMUSIC CLIPと、17年5月に出演した「スガフェス!」の模様、「水樹奈々のMTV Unpluggedを科学する-Special Edition-」を収録。(写真はCD+Blu-ray盤。3500円・税別/キングレコード)

「これまで2枚のベストアルバムを発表していますが、『THE MUSEUM III』は歌手としても女性としても一番変化した6年間が詰まった1枚になりました。

特に変化を感じるのは、歌声と表現の部分ですね。歌手にとって体は楽器ですから、体が変わると当然歌声も変わります。この作品では4曲目の『Vitalization』から変化の兆候が見られて。レコーディングをした頃はちょうど厄年で、女性にとっては体調が大きく変わるとき。例えば、急に徹夜ができなくなるとか(笑)。その翌年には喉を壊してしまい、当時は大人の体とどう向き合えばいいのか分からなくて…。もともとトレーニングは好きでライブ前にはストイックに体を鍛えてはいたんですけど、ライブをやっていないときにも、日常的にトレーナーさんに見てもらって、自分の体を細部まで知ることから始めたり、食生活や生活習慣まで見直したり。とにかくいろんな方に相談するうちに、『おいしいものを食べて、きちんと寝る』これが全ての基本なんだということに気がついて。ムチを振るだけじゃなく、体に栄養や休息を与えるようになったときに、また歌声が変わったんです。

それまでは楽曲制作でもライブでも、猪突猛進で突っ走ってしまうことや無理をしてしまうところがあったのですが、この経験を通して周りに相談したり、良い意味で甘えられるようになりました。いろいろな体の変化、心境の変化、そして生活改善で、それまでとはまた違ったものが見えてきて。それが歌の変化につながって。ある意味、歌は自分を丸裸にしてしまうものだなって改めて思いました。

このベストアルバムを順番に聴いていくと、その変化を感じていただけると思います」

新曲は「和」を意識

水樹の圧倒的歌唱力は、演歌歌手を目指していた過去から来ているものだが、前述の出雲大社奉納、そして今作の新曲では和楽器を使うなど、和とのつながりは一層深くなっている。

「アルバムには、テレビアニメ『バジリスク ~桜花忍法帖~』のエンディングテーマとなっている『HOT BLOOD』と、『粋恋』の新曲2曲が入っています。

実は、13年ぶりの続編で。声優としても歌手としても、前作よりも成長した姿を届けたいと気合が入りました。戦乱の世に生きる忍たちの切ない恋を描いたアニメなので、両曲ともに大胆に和楽器を取り入れています。『HOT BLOOD』は疾走感のあるロックナンバーのなかにも雅な要素が強く、『粋恋』は今だから歌える情熱的なロックバラード。『粋恋』は新しい歌い方にも挑戦しました」

1月11日からは自身9年ぶりとなる日本武道館で、全7公演を開催。夏には3年ぶりとなる全国ツアーが控えている。

(ライター 山内涼子)

[日経エンタテインメント! 2018年2月号の記事を再構成]

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