長野県の宿泊者数目標、5年間で22%増

2018/2/7 1:30
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長野県は6日、県内の旅館やホテルなどの延べ宿泊者数を2016年の1780万人から22年に22%増の2175万人に引き上げる目標を示した。外国人は2.6倍に増やす。DMO(観光地経営組織)を活用してPR戦略などを機動的に実施し、国内外から客を呼び込む。目標の達成には新幹線駅からの2次交通の整備など、実効性がある具体策の構築が必要だ。

集客力がある観光スポットをどれだけ作れるかが課題だ(松本市の上高地、2017年9月)

同日の観光戦略推進本部会議(本部長・阿部守一知事)で提示した18年度から始まる5年間の県観光戦略案の中に盛り込んだ。

外国人延べ宿泊者数を16年の113万人から300万人に増やす。県内の観光消費額は8100億円と11%増やす方針だ。

目標達成に向けて、世界的に著名なホテルを呼び込むために投資環境を整備する。電気自動車(EV)を利用した観光周遊、人工知能(AI)を活用した公共交通システムの構築なども盛り込んだ。

外国人の誘客戦略では、1998年に開催された長野五輪の競技施設を観光に活用することや、県境を超えた広域的な連携を挙げた。

観光施策のスピードアップのために、県観光部とDMOである長野県観光機構が役割分担を明確化する方針も打ち出す。県が観光政策の企画・立案を担当し、県観光機構がPRやイベントの実務を手掛ける。

市町村の枠組みを超えた広域DMOの中から「信州版認証DMO・DMC(サービス提供の事業主体)」を県内各地で認定し、重点的に支援する方針も示した。県観光戦略アドバイザーの清水慎一・大正大学地域構想研究所教授からは「国もDMOを認定している。新たに信州版を作る意味があるのか」と異論が出た。

県は3月中にも新観光戦略を次期総合5カ年計画と同時に正式決定する予定だ。

●具体性ある戦略を

長野県の2016年の延べ宿泊者数は全国で8位。名所旧跡が多い京都府(9位)やアジアに近い福岡県(11位)などを上回っている。さらに延べ宿泊者数を2割、外国人観光客を2倍以上に増やす目標はかなり意欲的といえる。

問題は目標到達の現実性があるかどうかだ。直近に教訓がある。17年7~9月に県やJRグループなどが共同で実施した信州デスティネーションキャンペーン(DC)だ。延べ宿泊者数で前年同期比10%増の目標を掲げたものの、結果は前年並みだった。天候不順も一因だが観光客を呼び込む策が万全だったとはいえない。

県内観光の定番といえば善光寺(長野市)や上高地(松本市)だが、それに続く目玉はなかなか出てこない。県が個人客や外国人の獲得に対応しきれていない旅館やホテルに対して、どう意識改革を促していくかも課題になる。

認証DMOも国のDMOとの線引きが明確に示せておらず、実効性には疑問符が付く。具体性ある戦略を打ち出せなければ、「観光県信州」は絵に描いた餅に終わりかねない。(佐伯遼)

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