インドネシア、成長横ばい17年5.07% ジョコ改革道半ば
輸出産業育成遅れ、世界の好景気に乗れず 18年は選挙特需も

2018/2/5 23:49
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【ジャカルタ=鈴木淳】インドネシア中央統計局は5日、2017年の国内総生産(GDP)の伸び率が16年比5.07%だったと発表した。成長率は16年の5.03%から横ばい。同国政府が目標とした5.2%を下回った。個人消費が伸び悩んだうえ、自動車など輸出産業育成がはかどっていない。ジョコ政権が進める資源輸出頼みの経済構造の改革が道半ばで、好調な世界経済の波に乗り切れていない。

個人消費が伸び悩む(1月、ジャカルタの百貨店)

17年10~12月期の成長率は5.19%だった。インドネシアは東南アジア最大の経済大国で、20カ国・地域(G20)にも加盟する。内外から「6%程度の成長は可能だ」との期待が高いが、実際には14年10月のジョコ政権発足後、5%前後の成長にとどまる。

インドネシアの成長が伸び悩む背景には、野心的なインフラ開発が期待通りに進まないことや産業育成が遅れ、資源輸出頼みの経済から脱却し切れていないことがある。

ジョコ政権は50兆円規模のインフラ開発を推進中。政権発足から3年がすぎ、高速道路や地方港湾などの開発では一定の成果が出た。ただ大規模発電所に代表される大型インフラは遅れ気味だ。

ジョコ政権はインフラ開発でGDPの3割に上るとされる物流コストを下げ、製造業などの国際競争力を向上。外資誘致を含め産業を育成して雇用や消費を伸ばし、成長につなげる考えを持つ。

資源輸出頼みの経済からの転換を促す荒療治も行った。ニッケルなどの未加工鉱石の輸出を原則的に禁止し、一定量の国内での加工を義務付けた。インドネシアは2000年代に資源価格の高騰で新興国の中でも高い成長を見せた。しかし、最近は資源価格の下落もあり、成長が伸び悩む要因となっている。

資源に代わる輸出の柱と期待される自動車産業。輸出台数は拡大基調で17年には20万台を突破した。ただ「タイにはまだ水をあけられている」(業界団体幹部)状態で改善の余地は大きい。

個人消費も伸び悩んでいる。インドネシア中銀によると17年の小売店の月次売上高の伸び率(前年同月比)はほぼ毎月、1桁台の伸びにとどまった。16年まではおおむね2桁増を維持していた。

急増した中間層の消費が踊り場を迎えているのが一因だ。象徴的なのは二輪車とスマートフォン(スマホ)。二輪車は11年に800万台強を売ったが、国民に広く行き渡ったことで17年は600万台弱まで落ち込んだ。普及率が5割を超えたスマホも販売が鈍化した。

賃上げ幅も緩やかだ。政府が定める18年の最低賃金の伸び率は近年で最低の8%強にとどまった。これも消費マインドに悪影響を与えている。

インドネシア政府は18年の成長率を5.4%と見込む。18年は19年4月の大統領選挙の前哨戦となる主要州の知事選挙を控える。政党の支出が増えるなどの「特需」で消費が伸びる傾向にある。

ジョコ大統領は「自分は仕事を続けるだけ」と政策の維持を強調する。19年の大統領選に向け、政策を素早く推進する実行力が求められる。

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