「下町ボブスレー」 ジャマイカ、平昌五輪で使わず
東京都大田区の町工場が中心となって競技用そりを開発する「下町ボブスレー」のプロジェクト推進委員会は5日、そりを無償提供してきたジャマイカ側から平昌五輪で使わないとの連絡があったと明らかにした。ジャマイカ側は平昌五輪でこのそりを使う契約を推進委と結んだが、出場権獲得に向けた転戦中にラトビア製に乗り換えていた。推進委は損害賠償請求も視野に入れる。

推進委によると、ジャマイカ側は輸送業者のストライキを理由に国際大会の実績があるラトビア製に乗り換え、女子チーム(2人乗り)が五輪出場権を獲得した。推進委にはそりの性能不足も主張していた。
推進委は改良に対応する一方、平昌五輪での使用を求めてきたが、性能を巡る議論は平行線をたどった。ジャマイカ側に提供したそりは4台。五輪で使わない場合は損害賠償として1台当たり開発・輸送費の4倍に当たる6800万円を請求する取り決めがあるという。
推進委の細貝淳一ゼネラルマネジャーは同日、大田区内で記者会見し、「まだ諦めていない。交渉は続けている」と苦しい胸の内を明かした。