2018年8月18日(土)

五輪後見据え、受信料値下げ検討 NHK会長 ネット配信では民放と協力

2018/2/5 17:57
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 NHKの上田良一会長は5日、日本経済新聞社などのインタビューに応じた。2018~20年の3カ年の経営計画で見送った受信料の引き下げについて、20年の東京五輪後を見据え検討を続ける意向を明らかにした。インターネットでテレビと同時に番組を配信する「常時同時配信」では民放と協力する考えを示した。肥大化懸念の払拭には「視聴者の信頼が基本」と述べたが、足元では不祥事が続いており道のりは遠い。

 18年度から始まる経営計画では高精細の4K8K放送の開始や東京五輪の対応などに費用がかかるとして一律の受信料引き下げはせず、社会福祉施設など免除対象の拡大などで3カ年で170億円の負担軽減策を盛り込むにとどまった。これに対し、野田聖子総務相は国会で議論される18年度のNHK予算に「引き下げの可能性も含め、受信料のあり方を検討すること」とする意見書案を示した。

 上田会長は「今後の受信料の適正な水準については中長期的な事業計画や収支見通しを踏まえたうえで、検討すべき重要な課題と認識している。オリンピック後を見据えて、今の段階から検討を進めていく」と述べた。

 次期経営計画では、従来の公共放送から放送と通信を融合した「公共メディア」への進化を柱に据える。その重要な施策である常時同時配信では東京五輪前の19年度のサービス開始を目指すことを改めて強調。民放各社との調整や政府への働きかけに「全力投球する」とした。

 民放との連携では、全国の民放ラジオ局の放送が聞けるインターネットサービス「radiko(ラジコ)」にNHKのラジオ番組も提供していることを念頭に、スマートフォン(スマホ)アプリの共通化や、配信システムの共用などを視野に入れる。

 NHKがネット関連事業を拡大することに対しては民放などから肥大化を懸念する声も根強い。上田会長は「公共的価値という軸足を意識しながら、社会的な情報インフラとしてしっかりやっていくことが大事。どんどん大きくなればいいとは思っていない」と話した。

 公共メディアへの進化について理解を得て、肥大化懸念を払拭するには「視聴者、国民の信頼が基本にある」としたが、NHKでは17年の1年間で受信料の着服が2度発覚するなど不祥事が絶えない。

 上田会長は「個別の不祥事への対応も必要だが、NHKの職員には公共放送という大きな力を持っていることに伴う責任がある。責任ある人が最低限守らないといけないことに関する教育をもう一度徹底させる」とした。

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