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1000億円達成へ大きな1歩、キヤノン電子

キヤノン電子の宇宙事業拡大に弾みがつく可能性が高まった。宇宙航空研究開発機構(JAXA)は3日、小型ロケット「SS-520」の打ち上げに成功した。キヤノン電子はカメラ技術を応用した制御機器をロケットに提供した。2030年に宇宙事業で1000億円の売上高を目指す同社にとって、今回の成功は目標達成への大きな一歩となった。

2017年1月にSS-520の打ち上げに失敗していたJAXAにとって、今回は2度目の挑戦だった。3日午後2時すぎに内之浦宇宙空間観測所(鹿児島県肝付町)から打ち上げられたSS-520は、東京大学の超小型衛星「たすき」(愛称)を予定の軌道に投入することに成功した。

キヤノンの有力グループ企業の1つとして精密機器を製造するキヤノン電子は、ロケットの飛行を制御するコンピューターやセンサーなどを製造した。カメラや複合機などの精密機械で培った技術を応用したほか、宇宙に詳しい人材を採用するなどして開発した。

キヤノン電子はロケット制御機器だけでなく、小型の人工衛星を開発して17年6月にインドから宇宙に送り込んだ実績もある。17年8月には、ロケット開発を目的とした「新世代小型ロケット開発企画」をIHIエアロスペースや清水建設、日本政策投資銀行と共同で設立した。自前のロケット発射場を建設する計画もあり、和歌山県を最有力候補地として、近く地質調査を始める。

地球を取り囲むように大量の小型衛星を周回させれば、世界中どこでも高速のインターネットが利用できる。地球上で行われている様々な活動を観測し、それらのデータをもとに交通機関を効率的に運行させたり、農作業のムダを省いたりすることもできる。

小型衛星の打ち上げ需要は23年には460基となり、16年の4.6倍に膨らむとの調査結果もある。宇宙開発に関するビジネスは今後、拡大するとの見方は多い。

キヤノン電子が掲げている宇宙事業の目標売上高1000億円は、同社の17年12月期連結売上高837億円を大きく上回る。「大風呂敷」とも言われかねない数値目標だが、同社の酒巻久社長は「日本は民間の宇宙参入が遅れている。積極的な手を打っていく」と語っている。

(企業報道部 斉藤美保)

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