2019年8月24日(土)

安全運転ならポイント獲得 スマートドライブ

2018/2/5 13:59
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IT(情報技術)スタートアップのスマートドライブ(東京・品川、北川烈社長)は5日、安全運転するとポイントがたまる自動車の毎月定額リースを4月をめどに始めると発表した。走行データを集めて通信する機器を車に搭載し、運転スキルを自動診断する仕組み。大手のリース会社や保険会社と組んで展開し、利用者が集めたポイントは既存のポイントサービスと交換でき、将来は料金割引サービスも検討する。スマートドライブは2018年中に契約台数1万台をめざす。

スマホで自らの運転の評価や累積ポイント、走行距離などがわかる(スマートドライブ・カーズのデモ画面)

スマートドライブの北川烈社長

「SmartDrive CARS(スマートドライブ・カーズ)」と名付け、主に個人向けに提供する。スマートドライブが開発した、車のシガーソケットに差し込み走行データを集めて通信できる機器を対象車に搭載。車種やメーカーを問わない「後付けコネクテッドカー(つながる車)」として、走行距離や速度、ブレーキの踏み方、ハンドリングのなめらかさなどを感知し、クラウドでデータを集める。

同社はこれまで運送会社など法人向けと個人向けに走行データを「見える化」するサービスを提供し、約2万台分のデータを解析してきた。こうした車のビッグデータを生かし、個人の運転スキルをポイントに変えるサービスまで踏み込む。

スマートドライブが契約の窓口となり、車体に関してはリース会社、車両保険では保険会社の代理店となる。契約期間は最短1年から2年ごとの刻みで最長9年まで5つのプランを用意。まず最初の数カ月は10~20車種を対象に、1都3県で展開する。税金や保険、車検などの費用はすべて込みで、料金はホンダの軽自動車「Nbox」の9年契約で、毎月2万円台になる見通し。

当初は月約1000台を提供し、納品には1~2カ月かかるという。徐々に対象を広げて今年末には月5000台まで提供する計画だ。19年には10万台の契約台数をめざす。

利用者は常時、スマートフォン(スマホ)で運転スコアがわかり、走行距離や次の車検時期も確認できる。たまったポイントの交換対象は「アマゾンポイント」「WAON(ワオン)」などが決まっているという。北川社長は「数万台導入されると、ビッグデータそのものでビジネスができ料金自体の割引もできる」と語る。

一方、現時点で新サービスのパートナーとなるリース、保険会社は未公表。ただ、スマートドライブには仏系のアクサ損害保険や住友商事が出資し、銀行系のベンチャーキャピタル(VC)も株主に名を連ねる。アクサとはリスク分析で協力し、運転特性に応じて掛け金が変動する「テレマティクス保険」を共同開発した実績もある。新サービスも株主との連携を視野に入れているとみられる。

スマートドライブは2013年の設立。北川社長は慶応大で金融工学、東大大学院でモビリティー(移動体)のデータ分析を研究し、大学院在学中に同社を立ち上げた。米国のマサチューセッツ工科大学(MIT)に留学した経験があり、「優秀な友人がグーグルやテスラに就職するのを見て刺激を受けた」という。アクサとの提携の実績もあり17年4月には事業会社や産業革新機構、VCから総額約10億円を資金調達している。

従来のドライブレコーダーなどの車載器は高額で工事が必要ものが多いなか、スマートドライブの専用機器は初期費用を約1万円に抑え拡販してきた。北川社長は「今走っている車を低価格で賢くする。当社が集めたデータで顧客に割安な保険のような付加価値を提供したい」と語る。新たなポイント制度の導入でデータ収集力を高める。

コネクテッドカー分野を巡っては、世界の自動車大手が異業種と組みサービスを展開する。スマートドライブはどのメーカーにも対応する後付けコネクテッドカーをひっさげ、成長市場でのプラットフォーマーに挑む。同社が車の所有にこだわらない若い層を中心に、スマホ経由で移動の「入り口」として存在感を示せるか。自動車大手にとっても気になる動きになりそうだ。

(企業報道部 加藤貴行)

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