小林製薬、訪日客と海外で攻勢 工場増強に300億円

2018/2/3 2:00
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小林製薬がインバウンド(訪日外国人)や海外向けの販売を伸ばしている。2日には輸出増やインバウンド対応のため、国内2工場の設備の増設などに300億円を投じると発表した。同日発表した2017年12月期連結決算は20期連続で純利益が過去最高を更新。インバウンドの人気に火が付き、それが現地での購入にもつながるという好循環が働いている。

「2年前、インバウンドはこれ以上伸びないと思っていた。だが、今回も伸びた」。2日の決算説明会で小林章浩社長はこう話した。爆買いの一服が指摘されたのがちょうど2年前ごろだが、同社の推定で17年12月期のインバウンド推計売上高は75億円。2年前に比べて8割も増えた。

理由の一つが、売れる商品の裾野の広がりだ。数年前中国の口コミサイトで広まった、日本に行ったら買わねばならない12の「神薬」としたリストには、液体ばんそうこう「サカムケア」「熱さまシート」など同社の商品が5つも入り、これらが人気を集めた。

しかし最近では洗眼薬「アイボンWビタミン」など、「神薬」以外の商品も伸びている。「中国の人気女優がSNS(交流サイト)で紹介し、ネットで広まった」(同社)。17年の中国6都市での調査では同社について知っていると答えた消費者が8割に達した。高い知名度が貢献している。

今後力を入れるのは中国や東南アジア、北米での販売だ。17年12月期の海外売上高は前年同期に比べ23%増の217億円。中国に限ると伸び率はさらに高く、店頭で50%、電子商取引(EC)で63%も伸びている。「熱さまシート」などが人気だ。

300億円の投資は4~7年以内に実施し、富山市と宮城県の工場の生産棟の新設などに充てる。海外の薬事行政当局の認定を得て輸出先を増やす狙いもある。

ただ海外の好みも変化するため、人気を維持し続けるのは容易ではない。日本の既存製品の輸出ではなく、現地のニーズに合った独自製品の開発などが今後の課題となりそうだ。

(菊地悠祐)

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