2018年9月27日(木)

ホンダ、進む中国傾斜 今期3度目の業績上振れ

2018/2/2 23:00
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 ホンダが中国への傾斜を強めている。2日には2018年3月期の業績予想について3度目の上方修正を実施。伸びが目立つのは中国だ。17年には生産台数で初めて米国を抜き、販売も18万台差に近づいた。量を追うだけでなく、自動運転など次世代車の技術開発でも現地企業と相次ぎ提携。若さと勢いのある市場を成長エンジンに「ホンダらしさ」を深められるか。

 「中国では年間販売台数が10万台を超える車種が7つもあった。大変好調だ」。2日、都内で開いた記者会見。ホンダの倉石誠司副社長は中国を好決算の要因に挙げた。

 17年の中国での販売台数は16年比17%増の145万台。多目的スポーツ車「CR―V」やセダンの「シビック」が売れ、生産台数は144万台と米国(120万台)を初めて超えた。4~12月期に計上した中国の合弁会社を中心とする持ち分法投資利益は前年同期比63%増の1897億円で、連結営業利益の増益幅0.6%を大きく上回る。

 ホンダ最大の市場である米国での販売も17年は前年を上回り最多となった。ただ、市場全体では8年ぶりの前年割れで「調整局面に入った」との見方が多い。拡大を続ける中国との勢いの差は明らかだ。倉石副社長は中国販売について「まだ米国には届かないが、市場をみれば近いうちに抜くだろう」と話す。

 中国への傾斜は人事にもみえる。八郷隆弘社長や倉石副社長ら多くの役員が中国での駐在経験を持つ。19年には武漢市内に新工場を稼働。足元では好調な需要に新車供給が追いつかず、ある部品メーカー首脳は「ギリギリの人繰りを続けている」という。

 次世代車の技術では、アリババ集団系の企業と決済機能を備えたコネクテッドカー(つながるクルマ)を開発中。シェアリングのリーチスターにも出資し、20年までに中国80都市でカーシェアを展開する計画だ。米国でも自動運転でグーグル系企業と協業するが目立つのは中国での積極性。倉石副社長は「中国は動きが非常に速い。新サービスで遅れないように準備している」と強調する。

 ホンダにとって最初の飛躍のステージは米国だった。1972年、世界で最も厳しい排ガス規制とされた米マスキー法を初めてクリアした「CVCCエンジン」を発表。先進的なイメージを世界に広げた。

 だが、今の米国は市場が成熟し新技術への関心も高くない。IHSマークイットによると、米国で完全自動運転車を購入したい消費者は全体の4割程度。中国は7割だ。PwCコンサルティングは中国のコネクテッドカー市場が30年に17年の10倍の約3億台になると予測。「若年層が購入の中心で新技術に前向き」(IHSの松原正憲アナリスト)という市場だからこそ技術の革新も進む。

 八郷社長が時折口にする「ホンダらしさ」。その解釈は人によって様々だが、あるホンダOBは「誰もやらないことを先んじてやること」と話した。人気車を復活させるだけでは「らしさ」は取り戻せない。中国での成功はホンダにとって販売台数以上の意味がある。(古川慶一)

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