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医療機器リサイクルへ団体発足 医療費を削減

医療機器をリサイクルする動きが始まった。厚生労働省が2017年7月に使い捨て医療機器のリサイクル制度を新設し、欧米と同様、再製造品を活用することが可能になったのを受け、2日にリサイクルの推進団体が発足した。資源の有効活用や医療費の抑制につながると期待される。

単回医療機器再製造推進協議会の松本謙一理事長が2日、リサイクルの必要性を強調した(東京都中央区)

同日発足したのは、1回使ったら捨てる「単回使用医療機器」のリサイクルをうながす単回医療機器再製造推進協議会。松本謙一理事長が東京都内で記者会見し「国の財政が厳しいなか、医療製品の有効な活用が大切だ。数十万円する手術器具が1度で捨てられている現状がある」と話した。

リサイクルの新制度の対象となる単回使用医療機器は、診断用カテーテルや手術用ドリルなど数多くある。実際には複数回利用できても、感染症防止など安全上の理由から1回で捨てている。病院で使った機器を再製造会社が回収し、分解や滅菌・洗浄などをして再製造品として承認を取り、医療機関に販売する。再製造製品の責任は再製造会社が負う。価格はオリジナル品の半額ほどになるという。

医療材料大手のホギメディカルは18年春にも、リサイクル品を販売できるよう厚労省に承認申請する。佐々木勝雄取締役は病院経営の効率化をサポートしたいと話した上で、リサイクル品は「新品同様の品質を担保することが課題」と語る。

人工関節などの米ストライカーは米国で製品を再製造しており、日本でも販売できるよう承認申請する予定だ。日本ストライカー(東京・文京)の佐伯広幸社長は「米ストライカーは16年に5800トンの医療廃棄物を削減できた」と話す。

協議会はホギメディカルや日本ストライカー、オリンパスやジョンソン・エンド・ジョンソンなど9社の会員でスタートした。再製造医療機器について海外情報を収集し、行政に提言していく。

日本の15年の医療機器市場は06年と比べ22%増の2兆7500億円。そのうち55%を占める単回使用医療機器がリサイクル品に置き換われば、医療費削減が期待できる。

埼玉医科大学病院泌尿器科の矢内原仁教授は「普及するのはコストの見合う製品に限定される」と指摘する。再製造品は品目ごとに当局への承認申請が必要になるなど、リサイクル品だからといって事業のハードルが低いわけではない。だが、再製造事業に参入する企業が増えれば、医療のコストが下がり患者や病院に恩恵をもたらすと期待できる。(薬袋大輝)

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