2018年10月22日(月)

ドイツ連立協議が大詰め 4日合意目指す 医療・雇用でなお対立

2018/2/2 18:00
保存
共有
印刷
その他

【ベルリン=石川潤】メルケル独首相率いるキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と第2党、ドイツ社会民主党(SPD)による連立協議が大詰めに入った。対立していた難民の家族の受け入れ問題では妥協にこぎつけたが、医療保険改革や雇用などでなお溝が残る。両党は4日までの合意を目指しているが、もくろみ通りに進むかは微妙な情勢だ。

連立協議では、SPDが1月の党大会で自分たちの主張をより反映させると約束した(1)難民問題(2)医療保険改革(3)有期雇用問題――で、どこまでCDU・CSUの譲歩を引き出せるかが焦点だ。協議後に実施する党員投票で政権入りを認めてもらうためにも、SPDは協議で具体的な成果を得る必要がある。

ただ、これまでの協議では、SPDの苦戦が目立っている。強く求めていた難民の家族の受け入れは8月から始めることになったが、規模は事前協議で合意した月1千人に据え置かれた。やむを得ない場合は1千人を超えることも認めるとしたが、難民流入に厳しいCDU・CSUが主張を押し通したといえる。

ドイツメディアによると、SPD党内では「1千人超もあり得るといっても、あいまいな希望以上のものではない」(青年組織代表のキューネルト氏)などと厳しい声が広がっている。

医療保険改革では、SPDが公的保険と民間保険の格差の解消を主張しているが、CDU・CSUは医療現場への影響が大きすぎるとして難色を示している。雇用面でも、有期雇用契約を大幅に制限したいSPDに対し、経済への影響を重視するCDU・CSUが譲る気配はみえない。

年金の安定などでSPDもある程度の成果を上げそうだが、党員投票の約44万人の有権者にどこまでアピールできるかは不透明だ。連立合意に至っても、SPDの党員投票で否決されてしまえば協議は白紙に戻る。

とはいえ、CDU・CSUにも譲れない理由がある。CSUの地元バイエルン州では秋に州議会選挙が控えており、難民問題などで譲歩すれば大きく議席を減らしかねない。メルケル首相の求心力も低下し、SPDに花を持たせる余裕はない。

協議は4日の決着を目指しているが、5、6日も予備日としており、交渉はもつれることも予想される。大連立協議は2017年9月の連邦議会選挙から続く政治空白を埋める事実上最後のチャンスだ。決裂すれば再選挙の可能性が高まる。

公共放送ARDが1日公表した調査によると、SPDの支持率はわずか18%で、戦後最低だった昨年9月の連邦議会選挙の得票率(20.5%)よりさらに下がった。極右、ドイツのための選択肢(AfD)が14%で迫っており、仮に再選挙に踏み切れば、かえって混乱が深まる恐れもある。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報