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米で登場、「つながる」電動自転車に乗ってみた

Venturebeat

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これまでの自転車はかなり洗練された設計で、時代を超えて生き延びてきた。だが、「スマート自転車」に交代するときが来たのではないか――。これが急な坂を上ったり、もっと長い距離を走ったりできるテクノロジー満載の電動アシスト自転車「フラッシュ」の狙いだ。

米調査会社ナビガントリサーチの試算では、世界の電動アシスト自転車の売上高は2016年の157億ドルから、25年には243億ドルまで伸びる。(米国では)電動アシスト自転車は車道でも歩道でも走行でき、移動車両の基準速度を満たさないので運転免許証も必要ない。

米フラッシュのカイ・ファン会長はベンチャービートとのインタビューで「自転車に乗る人を増やし、しばらく乗っていなかった人を再び乗るようにするにはどうすればよいのかというのが、全体的なコンセプトだ」と語った。ファン氏は音楽ゲーム「ギターヒーロー」を開発した米レッドオクタンを共同で創業した経験を持つ。

価格は2000ドル、春ごろ一般発売へ

短時間試乗してみたところ、足こぎとモーターとの切り替えがスムーズなのに驚いた。ハンドル上のダイヤルを切り替えれば、4速の電動モーターのスイッチを入れられる。アシストをオンにすると、ペダルをこぐ苦しさから解放され、空を飛んでいるような気になる。

確かに、これでは大した運動にはならないが、もっと走りたくなる。この点もポイントだ。

ファン氏は昨年6月、米クラウドファンディングサービス「インディゴーゴー」で70万ドルを調達し、自転車は数分で完売した。フラッシュは現在、初回分の発送を進めている。

ファン氏は「事前注文分を発送し終えたら、春ごろに一般発売について発表する」意向を明らかにした。

電動アシスト自転車は中国で驚異的に売れており、欧州での売れ行きも好調だ。だが、米国ではほんのわずかしか走っていない。価格の高さがその一因だが、フラッシュは2000ドル程度で、3000~7000ドルする他社製品よりも大幅に安い(インディゴーゴーでの事前注文の価格は1000ドルだった)。

ファン氏は「この電動アシスト自転車を量産し、乗り方は分かるが様々な理由からあまり乗っていない1億人の米国人を自転車に呼び戻そうと励んでいる」と話す。「電動アシスト自転車の年間販売台数は中国では3000万台、欧州では200万台に上る。一方、米国では25万台にとどまる。当社では米国での普及が遅れている理由に対応している」と強調する。

ファン氏によると、サイクリングには心肺機能や筋力、柔軟性の向上、ストレスや病気の管理、関節の可動域の拡大、体脂肪の燃焼や減量などありとあらゆる健康効果があるという。

500ワットの出力を誇る電動モーターは充電式で、街を巡る程度ならガソリン代に1ガロン(約3.8リットル)3ドルを使うよりも安く済む。しかも、環境を汚染しない。1回の充電で最大50マイル(約80キロメートル)の走行が可能で、最高時速は28マイル(約45キロメートル)のため、長く急な坂道も上れる。

盗難時、持ち主のスマホに警報発信

ファン氏は「電子スロットルのおかげで、サイクリングなのに走行距離や坂道、走行時間といった制約がなくなる。スマートライトを装備して安全性にも配慮している」と説明する。

自転車の盗難を心配する声は多いが、この自転車にはカギは付いていない。

だが、誰かが盗もうとした場合には、持ち主のスマートフォン(スマホ)に警報が送られ、複数のライトが点滅する。ライトの照射距離は430フィート(約131メートル)なので、クルマの運転手は早い段階で自転車を認識できる。

走行距離に基づく保安追跡機能も搭載されており、85デシベルのホーンが付いた警報器がその場で鳴り響き、持ち主のスマホにも警報が送られる。全地球測位システム(GPS)により、盗まれた自転車の現在地を見つけることができる。

さらに、高解像度のタッチ画面とナビゲーションシステムも装備。ペダルをこぐ間に充電する方式ではなく、充電には約4時間かかる。

フラッシュは15年にザック・ファウンテン氏により設立され、ファン氏が取締役会長、マイケル・パン氏が最高経営責任者(CEO)に就いた。金額は公表していないが、インディゴーゴー以外からも資金を調達している。競合他社の大半はモーター付き自転車として開発しているが、フラッシュはテクノロジーの活用が念頭にある。

電動スクーターもライバルだが、これは移動車両に指定されているため、一定の車線しか走れず、歩道では運転できない。ナンバープレートと運転免許証も必要だ。

ファン氏は「電動アシスト自転車の認知度をもっと高めたい」と意気込む。「今年米国で発売した後、年内に欧州でも販売を開始する可能性がある」との見通しを示した。

各都市に充電施設を備えた駐輪場が増えれば、フラッシュの普及に弾みがつく可能性がある。

ファン氏は「電動アシスト自転車が人気になれば、そうなるかもしれない」とほほ笑んだ。

By Dean Takahashi

(最新テクノロジーを扱う米国のオンラインメディア「ベンチャービート」から転載)

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