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民事裁判の訴状、ネット提出可能に 最高裁が検討

民事裁判の訴状や書面をインターネットで提出できるよう最高裁が検討を始めた。現在は紙やファクスに限られており、裁判当事者に負担をかけているとの批判があった。電子化により裁判の迅速化も進むとみている。

現在の民事訴訟法は、訴状などを紙で裁判所に出すよう定めている。主張をまとめた数十~100ページ超の準備書面や証拠書類についても、裁判所に持ち込むか、郵送やファクスで送らなければならない。セキュリティー面でのリスクなどがあるためとされている。

ただ原告・被告や代理人の弁護士にとって、大量の紙を印刷して裁判所に届ける負担は大きい。企業法務に詳しい男性弁護士は「単純作業や保管のコストが重く、ファクスでやりとりした書面は文字が読みにくい」とこぼす。企業からも不満の声が上がっていた。

こうした批判に応えようと、最高裁は訴状や準備書面をネット専用のシステムで提出する仕組みについて検討を始めた。

紙とデジタルデータが併存すると効率が悪くなるとみられ、デジタルに一本化する方向。裁判所にとっても膨大な書類を保管せずにすむメリットがある。紙での提出にこだわる個人らについては、裁判所側で紙から電子化する方法などを検討する。

2018年度当初予算案に約4800万円の調査費を計上。大谷直人長官は1月の就任記者会見で「情報通信技術を用いた裁判手続きの現代化は検討を急ぐべき課題」と述べた。

日本の裁判所は他の先進国に比べIT(情報技術)化が遅れているとされる。米国やシンガポールなどは10年以上前から、ネットで書面を出す仕組みを導入している。日本でも司法制度改革でIT化が掲げられ、04年の民訴法改正で一部手続きで認められるようになったが、導入は限定的だ。

最高裁は、書面のほか実際の審理でもIT化を進める。裁判所と遠隔地の弁護士事務所などをテレビ会議システムでつなぎ、当事者が裁判所に出向かなくても争点整理や審理を進められる仕組みも調査を始める。

民事手続きのIT化やテレビ会議については、政府が17年に立ち上げた検討会の結論を踏まえ、18年春以降に具体案や必要な法改正が議論される。実現には数年かかる見込みだ。

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