交際相手探しアプリのペアーズ、深夜・早朝も自社で管理
交際相手を探すためのスマートフォン(スマホ)アプリ「ペアーズ」を提供・運営するエウレカ(東京・港、石橋準也社長)は1日の事業説明会で、深夜も含めて24時間体制で自社の社員が投稿内容を監視したり、問い合わせに応じたりするようにしたと発表した。素行が悪い利用者を排除、まじめに交際相手を探したい人が安心して利用できるようにする。

「人生を共にできるような人との出会いを提供したい」。説明会でエウレカの石橋社長は自社の事業目的について熱弁を振るった。説明会ではペアーズで出会った小林大志さん(29)・亜由美さん(29)夫婦が登壇、大志さんは「妻とは共通の友達もおらず、本来ならば絶対にない出会いだった。こうした世界がスタンダードになるといい」と語った。

ペアーズは会員制。自己紹介文やプロフィル、趣味などのデータをもとに、運営企業のエウレカがおすすめの相手をスマホを通じて知らせる。会員はすすめられた人の中に好みの人がいれば「いいね!」を送る。相手から「いいね!」が返ってきたら、メッセージをやりとりできる。2012年のサービス開始からこれまでに約5600万組を引き合わせた。交際相手が見つかってサービスを「卒業」した人は約12万人いるという。
エウレカでは、ペアーズの会員が投稿する画像やメッセージなどを監視し、不適切な内容が表示されないようにしているが、午後10時~翌朝の午前10時の時間帯は、この業務を外部に任せていた。「まだネットでの出会いを怖がる人もいる」(エウレカの中村裕一取締役)ことから、深夜と早朝も自社で行うようにした。
深夜と早朝は外部委託していた会員からの問い合わせも内製化した。「今、相談に乗ってほしいという恋愛関連のニーズにも応える」(中村取締役)。これに伴い、30人だった監視・オペレーター業務の担当社員の人数を40人に増やした。
エウレカのペアーズはSNS(交流サイト)との連携や機械学習を使ったマッチング、監視体制の厚さなどが特徴。会員登録のときにはフェイスブックで友人が10人以下の人を加入できないようにして、偽名の人物(サクラ)が紛れ込まないようにしている。17年からはペアーズで出会った実際のカップルを広告に起用し、安心して利用できることを強調している。
「オンラインデーティング」とも呼ばれる恋愛マッチングサービスは米国をはじめとする海外では00年前半から、日本では14年ごろから広がっている。草分けとされる米マッチ・グループは190カ国でサービスを提供している。エウレカは15年5月にマッチ・グループの傘下に入っている。
(企業報道部 吉田楓)