2019年8月19日(月)

TEP、期待の技術スタートアップ7社選出

2018/2/1 18:06
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技術系スタートアップを支援する官民組織のTXアントレプレナーパートナーズ(TEP、千葉県柏市)などは、「J-TECH STARTUP(ジェイテックスタートアップ)」に国内7社の技術系スタートアップを選び1日、東京都内で認定式を開いた。バイオ医療分野やロボティクス分野の起業家が事業を説明した。

7社のスタートアップがジェイテックスタートアップに認定された=1日、東京・千代田

シークセンスのSQ2は頭部のセンサーが回転して室内の様子を検出する

ジェイテックスタートアップは、TEPが期待を寄せる技術系企業だ。選ばれると出資などの支援を受けることができる。存在感を示したのは、医療やバイオ分野のスタートアップだ。今回は選ばれた7社中5社がバイオ系だった。

2018年4月に起業予定のプライムスは、人がものを飲み込む「嚥下(えんげ)」を定量評価できるデバイス「GOKURI」を開発する。食べ物が食道ではなく気管に入ってしまう「誤嚥(ごえん)」を起こすと、細菌が繁殖して肺炎を引き起こす恐れがある。これまで、人がものを飲み込む様子は放射線画像の解析などでしか確認できなかった。

プライムスは、メンバーが所属する筑波大学で培った技術を活用して、首に取り付けるウエアラブルデバイスを開発。「ゴクリ」という嚥下音を解析し、ちゃんと飲み込めているかを解析する。下柿元智也研究員は「今は、嚥下機能の測定ができていないのが問題。このデバイスでは正常な嚥下を約97%の確率で確認できる」と自信を見せた。

徳島大学発のセツロテック(徳島市、竹沢慎一郎最高経営責任者=CEO)は、ゲノム編集技術の産業化を目指す。同大の竹本龍也教授らが開発した「受精卵エレクトロポレーション法」を活用し、狙ったとおりに遺伝子を組み換える。

受精卵を並べ、遺伝子を組み換えるたんぱく質を含んだ溶液に浸す。電気を流して受精卵の中に溶液が入り込むという仕組みだ。これまでの受精卵にガラス管を差し込む方法に比べて手軽で簡単にできるという。竹沢CEOは「10年後には新薬になりそうな物質を探し出す『ハイスループットスクリーニング』などの分野で400億円以上の売り上げを目指す」と話す。

ロボティクス系スタートアップも負けてはいない。明治大学発スタートアップのシークセンス(川崎市、中村壮一郎社長)は、警備などに活用できる自律移動ロボット「SQ2」を紹介した。

「シュルシュルシュル……」。ユリのつぼみような形状のロボットの頭部が回転する。頭部に取り付けられているのはレーザーセンサーだ。回転することで、周辺の空間の様子を隅々まで検出できる。室内の警備や不審物の発見に活用が期待でき「オフィスビルやデータセンター、オフィスビル、空港などで使える」と中村社長。東京五輪・パラリンピックなどで多くの警備人員が必要になると見込み、早期の商業化を目指す。

選出したTEPの国土晋吾代表理事は「ディープテック系の会社がどんどん日本からでてきているというのを頼もしく思う。日本を代表するスタートアップになってほしい」と期待を寄せた。

TEPは、つくばエクスプレス(TX)沿線の大学や研究機関の先端技術を生かす目的で作られた組織だ。現在はTX沿線以外のスタートアップの支援にも取り組む。ジェイテックスタートアップを選出したのは、今回が2回目。前回は交流サイト(SNS)の自動解析して報道機関に情報を提供するスペクティー(東京・新宿、村上建治郎社長)などが選ばれた。

(企業報道部 矢野摂士)

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