富士フイルムがゼロックス買収、古森会長 最大の賭け

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2018/2/1 6:30
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富士フイルムホールディングス(HD)は31日、事務機大手の米ゼロックスを買収すると発表した。まずゼロックスが富士フイルムHD傘下の富士ゼロックスを完全子会社化し、その後、新生ゼロックスの過半の株式を取得する。事務機事業のグローバル展開を加速する狙い。だが、これまでは複合機に依存した事業構造からの転換を掲げ医療分野を軸に多角化を進めてきた。成熟製品である複合機を抱え込み収益力を強化するには課題もある。

記者会見する富士フイルムホールディングスの古森会長(31日午後、東京都中央区)

記者会見する富士フイルムホールディングスの古森会長(31日午後、東京都中央区)

「世界最大規模のドキュメントカンパニーになる」「真の一体経営で世界展開が可能」――。富士フイルムの古森重隆会長兼最高経営責任者(CEO)はゼロックス買収の狙いについてこう強気の発言を繰り返した。

古森会長にとって日米ゼロックスの統合は「長年の悲願」だった。米ゼロックスとは1962年に折半出資で富士ゼロックスを設立。現在は富士ゼロックスが日本を含むアジア太平洋、米ゼロックスが欧米を中心に事業を展開。2社を統合すれば、「世界の巨人」として成長戦略を加速することも可能になる。

古森会長は2017年8月の中期経営計画を発表する記者会見で今後も経営トップとしてとどまる意向を表明、取り組むべき重要な課題として「ゼロックス」を挙げていた。不適切会計問題を起こした富士ゼロックスのガバナンスの強化だけでなく、複合機事業の立て直しが必要との思いだろう。今回の買収がゼロックスの将来を確かにする強力な一手となる。

買収では富士ゼロックスを完全子会社化したゼロックスが第三者割当増資を実施。それを富士フイルムが約6700億円で引き受けることで、富士フイルムがゼロックスに50.1%出資する。18年中に作業完了を見込む。新生ゼロックスの会長には古森氏が就任し、CEOには現ゼロックスCEOのジェフ・ジェイコブソン氏が就任する。

富士フイルムにとって富士ゼロックスが手掛ける複合機など事務機事業は「ドキュメント」部門であり、17年3月期は売上高が1兆809億円、営業利益は827億円だった。売上高では全体の4割以上を占める収益源だ。経営環境は厳しく、ゼロックスとの統合を契機に体質強化を急ぐ。

富士フイルムの助野健児社長兼最高執行責任者(COO)は31日の記者会見で、日米ゼロックスの経営統合について「20年度までに年間12億ドル(約1300億円)の効果を見込んでいる」との認識を示した。研究開発や生産、部品調達などを最適にすることでコスト削減できるからだ。

富士ゼロックスでは国内外で1万人規模の人員削減を実施。工場の集約なども進めていく。18年3月期以降の構造改革費として720億円を見込むが、「構造改革による効果が年500億円程度あがると算出している」(助野社長)という。

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