2019年6月25日(火)

「アップル不調」 鴻海郭氏、iPhone依存に危機感
臨時総会、主力子会社の上海上場可決

2018/1/31 23:00
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【台北=伊原健作】台湾の鴻海(ホンハイ)精密工業の郭台銘董事長は31日、自社の株価低迷について、重要顧客である米アップルに引きずられる形で下落していると不満を示した。郭氏が個別の企業名をあげて言及するのは異例。顧客に依存する下請け中心の成長モデルへの危機感の表れでもあり、今後は受託生産主体の成長モデルからの転換を急ぐ。

鴻海は31日に臨時株主総会を開いた。臨時総会の開催は1991年の上場以来初めてだ。北部・新北市の本社でいきなり郭氏の口から通常は禁句である顧客名が飛び出した。

「外資は(鴻海を)アップルの生産委託先と見なして株を一緒に売買する。彼ら(アップル)が良くなかった」

アップルの最新型スマートフォン(スマホ)「iPhoneX(テン)」は高価格がネックとなり販売が振るわず、2018年1~3月期の生産は計画比半減する見込みだ。その生産を担う鴻海の株価は17年11月の高値から2割超下落している。郭氏は顧客に左右されやすい事業モデルを転換すると強調した。

その戦略の中核が、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」の産業向け事業を手掛ける子会社「フォックスコン・インダストリアル・インターネット」(FII)の上場だ。この日上場案が可決された。FIIはビッグデータやロボットを駆使する次世代の製造業に脱皮するための切り札との位置づけだという。

FIIには本体傘下でiPhoneの生産を手掛けてきた中国・鄭州工場などが含まれる見通し。工場で稼働するロボットの台数は現状の6万台から数年以内に20万台に増やす。生産方式の外販もにらんでおり、中国政府が推進する製造業の革新に寄り添う意図も見える。

傘下のシャープについては生産設備の状況を把握するためのセンサーなどで「極めて高度な技術がある」(郭氏)と述べ、重要な役割を担うと強調した。

FIIの上場時期は未定。鴻海はFII株の85%を保有し続け、市場で常時売買される浮動株は10%程度に抑える。鴻海が保有する資産の評価額の増大が株価上昇につながるとの期待から、総会で株主から反対の声は出なかった。

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