2018年11月16日(金)

流出仮想通貨、新たに別口座へ分散 監視かく乱狙いか

2018/1/31 9:41
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仮想通貨取引所コインチェックから580億円相当の仮想通貨「NEM(ネム)」が流出した問題で、流出先の口座の持ち主が奪った資金を約20口座に分散させたことがわかった。この口座はネムを管理する財団などからネットワーク上で監視されており、かく乱を狙った動きとみられる。コインチェックは口座の持ち主にネムの返還を求める意向だが、資金の分散が続くと回収が難しくなる。

奪われたネムが分散したのは資金流出当日の26日を除くと初めて

奪われたネムが分散したのは資金流出当日の26日を除くと初めて。不正流出した口座の持ち主は30日夜、新たに9つの口座に対し計14回、少額のネムを送るなどの動きがあった。分散総額は1100XEM(流出時のレートで約12万円、XEMはネムの通貨単位)と、奪われた5.2億XEMと比べると小さい。拡散に費やした時間は30分程度と短時間だった。これでコインチェックから奪われたネムの分散先は約20口座になった。

この動きについて、ある仮想通貨取引所を運営する関係者は「監視をかく乱する目的ではないか」と分析する。不正流出した口座は、ネムの管理に関わるプログラマーなどによって目印がつけられ、追跡の対象になっている。奪われたネムが多くの口座に分散すると監視対象が広がり、コインチェックが目指す資金の回収が難しくなる。

今回、口座の持ち主がネムを送った先は「事件後にこの口座に(興味本位などで)ネムを送りつけるなど、なんらかの関わりがあった口座が中心」(前出の関係者)とみられ、口座の持ち主とは別人の可能性もある。コインチェックの大塚雄介取締役は流出当日の26日の記者会見で「国内外の取引所と連携し、奪われたネムの売買停止を試みる」と話していた。もし分散先の口座の持ち主が不正流出した口座の持ち主と全く関係のない人だった場合は、無実の人が仮想通貨取引の停止に巻き込まれ、混乱を招く恐れもある。

ネムの管理・普及に関わる国際団体、NEM財団は31日、「奪われたネムの監視を続けており、複数口座に分散したことも確認している。ただ、この資金が取引所に持ち込まれた形跡は確認できず、現金化するのは難しいだろう」との見方を示した。分散したネムについては、ネムの管理に関わるプログラマーなどが「もし正体不明のネムが送り込まれても手をつけず、そのまま保管しておくように」とネット上で呼びかけている。

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