大和ハウス樋口会長、「総合生活」を100カ国で

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2018/1/31 6:30
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2020年の東京五輪・パラリンピックに向かって活気づく建設・不動産業界で、大和ハウス工業は16年度の売上高が約3兆5000億円強と先頭を走る。だが五輪後には建設・不動産市場は縮小する可能性が高い。目標に掲げる10兆円の売上高への道筋をどう描いているのか。樋口武男会長に聞いた。

「先を読むことが大事」と語る大和ハウスの樋口会長

「先を読むことが大事」と語る大和ハウスの樋口会長

――17年度は増収増益で推移していますが、経営環境をどうみていますか。

「多角的な経営で重要なことは世の中の変化に気付くことだ。充足する前に動かなければならない。住宅は必要不可欠な産業だが、日本の新築市場には限界がある。当社は『総合生活産業』を志す。今期の業績に寄与する物流倉庫も総合生活だ。IT(情報技術)社会では物流がカギを握る」

「人工知能(AI)を使った倉庫管理を得意とするスタートアップを17年11月にグループに入れた。ネットで購入したら発注してすぐに手にしたいのが消費者心理だ。高速道路の出入り口に倉庫を建ててどこよりも早く届ける。ただ世の中の変化ははやい。物流倉庫の市場もすぐに飽和状態になる」

――五輪を前に東京で都市開発が進んでいます。

「(建設の特需は)18~19年で終わり、その後は不景気になるとみている。大型の受注が極端に減る。ゼネコンやデベロッパー、住宅の枠を超えた業界再編が進むだろう」

「東京、大阪、名古屋の三大都市圏へのヒトとモノの集中が加速する。地域間の経済格差はさらに広がる。地方は医療などの必要な機能を集約した『コンパクトシティー』に向かう。古い家に住む高齢者に駅の近くに移ってもらい、その家の耐震を強化して地域を再生する取り組みだ。高齢者は動きたがらず、街や団地が老化している。活性化させるには行政、自治体、企業が一体となった対策が必要だ」

――空き家の問題も深刻になってきています。

「賃貸住宅の事業環境は1年前と全く違っている。郊外型のアパートに空室が目立ってきた。ぽんぽんと建てればいいという時代は過ぎた。新しいスキーム(枠組み)を考えなければいけない段階にある。住宅で伸びる分野はアフターケアだ。リフォームの市場が拡大する」

――17年は米住宅会社のスタンレー・マーチン(バージニア州)を買収するなど、海外展開も加速しました。

「大和ハウスは10兆円の売上高を目指している。今は4兆円弱で、先は遠い。国内で上げる売上高の可能性は5兆円くらいまでで、海外を大きくしなければならない。18カ国に展開しているが、近いうちに100カ国以上に持っていく。2000億円ほどの海外の売上高を20倍以上にする予定だ」

「海外での勤務を希望する社員が2000人ほどいる。これは強みだ。地域に根ざしたオーナー家が経営する海外の民間企業とできる限りタイアップし、『ウィン―ウィン』の関係をつくっていく。東京五輪後に日本が不景気に陥ってから海外と言い出したのでは遅い。いずれは中東やアフリカにも出る」

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