欧州の風力・太陽光・バイオマスの発電量、17年に初の石炭火力超え
【シュツットガルト=深尾幸生】ドイツのシンクタンク、アゴラ・エナギーヴェンデは30日、欧州の風力と太陽光、バイオマスの発電量が2017年に初めて石炭火力を上回ったと発表した。水力を含めた再生可能エネルギーで全体の30%の電力を生み出した。二酸化炭素(CO2)を多く排出する石炭火力発電を止める方針の国が相次いでおり、再生エネへの移行が鮮明になっている。
再エネから水力を除く「新・再エネ」の17年の発電量の比率は16年比2.1ポイント増え、20.9%だった。なかでも風力の伸びが大きい。石炭火力は0.9ポイント減の20.6%だった。このほかガス火力は19.7%(1.1ポイント増)、原子力は25.6%(0.5ポイント減)だった。
新・再エネの比率は10年からの7年で2倍以上に増えた。国別の17年はデンマークが16年比7ポイント増え74%に達し、ドイツは30%、英国は28%だった。
ただ、CO2排出量はほぼ横ばいだった。電力消費量が増えたほか、独仏の原子力発電が減ったことが影響した。