御手洗キヤノン 試される「新4本柱」の真価

エレクトロニクス
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2018/1/31 6:30
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キヤノンは30日、2018年12月期の連結営業利益が前年同期比26.7%増の4200億円になる見通しを発表した。17年12月期に続き全事業で大幅な増益を見込む「強気の目標」を掲げた。複合機とカメラに依存する収益構造から脱却して再び成長を続けられるのか。御手洗冨士夫会長兼最高経営責任者(CEO)が大型買収などで育ててきた医療機器など新規4事業がどれほど貢献するかが試されている。

2017年12月期の決算を発表する田中稔三副社長

2017年12月期の決算を発表する田中稔三副社長

「5カ年計画の折り返しとなる年。2年連続の増収増益を目指す」――。キヤノンの田中稔三副社長は市場関係者から注目された18年12月期の業績見通しについて強い口調でこう語った。

同社は16年12月期に大幅な減収減益に陥り、17年12月期は持ち直した。新規4事業で本格的な攻めに転じる18年12月期は文字通り同社の今後の浮沈を左右する可能性がある。

御手洗会長は過去最高の業績を更新することに執念を燃やし、東芝から6655億円で医療機器子会社を買収するなど大胆な成長戦略を進めてきた。複合機とカメラに続く「第三の柱づくり」という長年の経営課題に取り組んできたわけだ。

この結果、18年12月期の売上高は4兆3000億円の見通しで、過去最高だった07年12月期(4兆4813億円)が射程に入ってくる。営業利益目標も08年12月期以来の4000億円台への回復を目指す。

田中副社長は18年12月期の複合機とカメラについて「少し慎重に見ている」と語る。17年12月期は複合機など「オフィス」事業と、デジタルカメラなど「イメージングシステム」事業が回復した。18年12月期も両事業の営業利益はそれぞれ伸びるが、新規事業が成長を加速するために重要な役割を担うことになる。

重要なのが16年12月に連結対象になった東芝メディカルシステムズ(現キヤノンメディカルシステムズ)を含む医療事業の稼ぐ力だろう。18年12月期には売上高で前期比7.8%増の4700億円、営業利益で同20%増の270億円を目指す。17年12月期に5.2%だった営業利益率は5.7%に向上する。

医療機器事業では収益改善に向けてキヤノンが培ったものづくり技術を移管している。すでに栃木県などキヤノンメディカルの一部工場では歩留まりが高まるように空調システムを見直した。製造装置の稼働音をモニターし、その動作が正常かどうかを判断するキヤノンの独自技術も導入する予定だ。生産現場の効率的な改善により仕掛かり品の削減などにもつなげられる。

田中副社長はこれまで「メディカル事業の利益率を10%に持っていきたい」と語ってきた。まだ目標の達成に向けて道半ばだが、今年も生産改革以外にも着実に手を打っていく。医療機器に関連するIT(情報技術)システムや保守などサービス事業の強化を急ピッチで進めていく。

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