2019年5月26日(日)

勝利のメンタリティー(山本昌邦)

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中国で聞こえた 五輪まで続く厳しい競争の号砲

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2018/1/31 6:30
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1月半ば、中国江蘇省の江陰を訪ねた。23歳以下(U-23)のアジア選手権に出場した日本代表(森保一監督)の戦いを見るためだった。2020年東京五輪を目指す日本代表チームは残念ながらベスト8で敗れたが、チームづくりの初動に当たる今は、その悔しさの中から選手一人ひとりが自分に足りないものを真摯に見詰め、自身の成長につなげてくれたらいいと思っている。

大きかった2歳の年齢差

上海から長江沿いに高速道路などを使って2時間半ほど車を走らせると、江陰にたどり着く。車窓から見える長江沿いは開発がどんどん進んでいるようで、江陰もまた立派な都会だった。サッカー専用競技場ではないものの、近隣の常州や崑山なども合わせて100キロ圏内に、16チームが参加する大会をそつなくこなせるハードを備えていた。

完敗に終わったウズベキスタン戦を一人ひとりが成長につなげる材料にしなければならない=共同

完敗に終わったウズベキスタン戦を一人ひとりが成長につなげる材料にしなければならない=共同

私が見たのはグループリーグ最終戦の北朝鮮戦(1月16日、○3-1)と準々決勝のウズベキスタン戦(1月19日、●0-4)のみ。日本のすべての試合を見たわけではないが、U-23のメンバーを中心に争われる20年東京五輪の代表強化を見据えて、現時点で21歳以下の選手で戦った日本は、2歳年上の相手に苦戦を強いられた。年齢差の壁は特に完敗したウズベキスタン戦に顕著だったと思う。

北朝鮮もウズベキスタンもこの世代で「世界」を経験している。カタール、ミャンマーとともに14年U-19アジア選手権でベスト4に入り、翌15年のU-20ワールドカップ(W杯)に出場したのだ。日本はこのとき、南野拓実(ザルツブルク)、井手口陽介(クルトゥラル・レオネサ)らを送り込んだが、準々決勝で北朝鮮にPK負けを喫し、W杯出場を逃した。15年のU-20W杯ニュージーランド大会でベスト8まで勝ち進んだウズベクはこの世代のトップランナーといえよう。

年齢差以外にもハンディはあった。日本サッカーのカレンダーでオフに当たるこの時期は、代表チームに選手を集めるのに本当に苦労するのだ。Jリーグで活躍した選手ほど、前シーズンの疲れを取りリフレッシュして新シーズンに臨んでもらうために、この時期は休養を与える必要がある。

欧州組呼べず、チーム編成に苦心

また、Jリーグより先に始まるアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)に向けて既に始動しているチームもある。そういうところの選手は代表に呼ぶより、キャンプにしっかり参加させて所属先でレギュラー争いに勝ってもらった方がいい。Jでコンスタントに試合に出ることに勝る成長戦略はないからだ。

昨年、U-17とU-20、両方のW杯に出た期待の久保建英(FC東京)はバーンアウトさせてはいけないという配慮で今回は招集が見送られた。堂安律(フローニンゲン)や冨安健洋(シントトロイデン)ら欧州組は逆に向こうがシーズン真っ盛りなので呼びたくても呼べない。G大阪で頭角を表した初瀬亮、J2でそのスピードスターぶりが話題の前田大然(松本)はメンバー発表後、ケガなどで代表入りを辞退した。

そんなこんなで、J1、J2、J3、大学生はもちろん、Jクラブのユースチームにまで網を広げて今回はチームを編成することになった。呼びたい選手が呼べないならと、積極的に選手を発掘していく方向にスタンスを切り替えたのだろう。五輪代表を立ち上げたばかりで、これだけの選手に投網をかけられたのは、スタッフが日ごろから選手をよく見ている証拠だろう。

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