テルモ、米シリコンバレーの拠点統合

テルモは29日、米シリコンバレー(カリフォルニア州)で2つの開発拠点を統合し、新たに「テルモベイエリアイノベーションラボ」を稼働させたと発表した。2015年から米市場向けの初期研究を担う「シリコンバレーラボ」と、17年に買収したカリラ・メディカルの本社を統合した。双方の知見を持ち寄り心臓血管カテーテル分野などで開発速度を上げる。
10日に運用を始めた。人員は5年以内に現在の約2倍の50人に増やす。カリフォルニア州はスタンフォード大学を中心にベンチャーや技術者、投資家、医療機関がそろい、医療機器の研究開発が盛んな地域だ。
テルモも現地の環境を活用しようと、13年に医療機器ベンチャーに投資するファンドに出資。14年には病院内のインキュベーション施設に開発子会社のテルモメディカルイノベーションを設立した。カリラは米アボット・ラボラトリーズから買収した。
英調査会社BMIリサーチによると米国の医療機器市場は15年に約1400億ドル(約15兆2000億円)と世界の4割を占め、今後も年に5%程度の成長が見込まれる。
テルモは世界最大の医療機器市場である米国で、現地ニーズに合った製品を素早く開発する体制を整えたい考えだ。