2019年6月17日(月)

偽C型肝炎薬、販売の疑い 男女2人に逮捕状

2018/1/26 19:41
保存
共有
印刷
その他

C型肝炎治療薬「ハーボニー配合錠」の偽造品が2017年1月に流通した問題で、偽造品を卸売会社に販売したとして、警視庁生活環境課は26日、40代の男女2人について医薬品医療機器法違反の疑いで逮捕状を取った。2人は夫婦で、別の薬物事件に関与したとして起訴され広島地裁などで公判中。同課は今後、2人を逮捕して偽造薬の入手ルートを調べる。

捜査関係者によると、男(43)とその妻(49)は17年1月4日、ハーボニー配合錠の偽造品が入ったボトル2本を東京都千代田区の薬品卸会社「エール薬品」(解散)に販売した疑いなどがある。

2人は17年、覚せい剤取締法違反などの容疑で広島県警に逮捕された。2人が持ち込んだのは正規品のボトルで、ビタミン剤や漢方剤などが入れられていた。使用上の注意などを記した文書や外箱がない状態でエール薬品に売り渡したとみられる。

エール薬品は薬局や病院などで余った薬を割安な価格で仕入れて転売する会社。偽造品を買い取った際に相手の身元やボトルの中身を確認せず、仕入れ先を記す帳簿には架空の会社名を記載していた。

偽造品は複数の薬品卸会社を経て奈良県の薬局チェーン「関西メディコ」に流通。17年1月、奈良市内の薬局で薬を受け取った患者が、服用前に錠剤がおかしいことに気づき、問題が発覚した。厚生労働省の調査で奈良県内の薬局や都内の薬品卸会社で計15ボトルの偽造品が見つかった。

ハーボニー配合錠は米製薬会社のギリアド・サイエンシズ社が製造し、日本では15年に販売が始まった。公定薬価は1錠あたり約5万4700円になる。

国・業界が再発防止策

偽造医薬品が流通した問題を受け、厚生労働省は再発防止策を強化している。1月末には医薬品医療機器法の施行規則などを改正し、卸売業者や薬局が医薬品を仕入れる際、販売許可証や身分証による売り主の身元確認を義務付ける。

現行の同規則には身元確認の規定がない。ハーボニーの偽造品を仕入れたエール薬品は「秘密厳守」をうたい、身元確認などをしていなかった。

規則の改正により、卸売業者と薬局は取引相手の身元確認が義務付けられる。偽造が疑われる医薬品を見つけた場合に、行政へ届け出る手順などをあらかじめ定めておくことも求められる。

医薬品業界も対策に乗り出している。日本薬剤師会、日本保険薬局協会、日本チェーンドラッグストア協会の3団体は2017年3月、薬局間での医薬品の受け渡しに関するルールを定めたガイドラインを作成した。

ハーボニーの偽造品が外箱や添付文書のない状態で流通したことを踏まえ、同じ企業が運営する薬局間の受け渡しでも、添付文書などの有無の確認を徹底するとした。

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報