2018年9月19日(水)

大企業社員、スタートアップにレンタル移籍

コラム(ビジネス)
スタートアップ
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2018/1/26 6:30
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 サッカーのレンタル移籍(期限付き移籍)にヒントを得て、大企業の人材がスタートアップで期間限定で修業する仕組みが登場した。仕掛け人はローンディール(東京・世田谷)の原田未来社長(40)。大企業の社員は起業家魂やスピード感を学び、人材不足のスタートアップは即戦力が手に入る。目指すは「日本的な人材流動性の仕組み作り」だ。

■スピードを体感

チカクで働く関西電力の田村博和さん(右)とチカクの梶原健司社長(東京・渋谷のチカク本社)

チカクで働く関西電力の田村博和さん(右)とチカクの梶原健司社長(東京・渋谷のチカク本社)

 取材に訪れたオフィスに登場したのは、カジュアルな装いの一見普通の「スタートアップの人」だった。動画・写真共有サービス「まごチャンネル」を展開するチカク(東京・渋谷)で働く田村博和さん(30)は、関西電力から半年間の「レンタル移籍中」だ。

 最初はひとりスーツ姿で出勤していたが、3カ月経過した現在はすっかりカジュアルに。関電の上司がチカクのオフィスを訪れた時にすぐに見つけられなかったほどだ。

 変わったのは服装だけではない。働くマインドも激変した。チカクは2014年創業で従業員はまだ12人。2万人を超える関電と比べ、企業規模がゾウとアリほど違う。人数の少ないスタートアップでは一人ひとりの存在が重い。田村さんは実際に仕事をしてみて「当事者意識やスピード感に驚いた」と話す。

 衝撃を受けたのは仕事の進め方。あるとき田村さんが頼まれた資料を2日かけて作っていると、チカクの梶原健司社長(42)は「あと1時間で作って」と指示を出した。

 「あと1日待っても完成度はおそらく60%が65%になるだけ。スピードの方が大事」(梶原氏)。高い完成度の資料が求められる大企業に対し、スタートアップではとにかくスピード重視。作成した資料を同僚と共有し、対話しながらチームで完成させていく。

 田村さんの修業期間は4月まで。肌で感じた経験と知見を持ち帰り、新規事業開発やサービス設計に生かす考えだ。

 ローンディールは大企業に対し、登録する140社以上のスタートアップから業種や職種の要望に合う企業を紹介する。期間は半年から1年間。移籍者は週次と月次の報告書を所属する大企業とローンディールに提出し、ローンディールは月に1度、移籍者や受け入れ企業と面談する。

 契約は大企業とスタートアップの間で研修派遣または出向の形で結び、大企業とスタートアップの両方が一定の月額料金を手数料としてローンディールに支払う仕組み。双方からの手数料は期間や人数によって異なるが月10万円から。社員の給与や社会保険は期間中も大企業が負担する。対象となるのは新規事業担当部署などの入社10年目程度で、30歳前後の社員が多いという。

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