千葉県、ジビエ振興へ担い手育成

2018/1/25 0:00
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千葉県は野生の鳥獣肉(ジビエ)の安定供給をめざし、担い手の育成を加速する。イノシシやシカを捕らえるハンターの入門講座の定員を3倍に増やす。解体処理方法を教える講習会は2月に初めて開く。捕獲頭数などの狩猟規制も2017年度から緩和した。ジビエ振興に携わる人材を育て、有害鳥獣の駆除と新たな名物料理づくりの一石二鳥をめざす。

千葉県は「インスタ女子」らを招き、房総ジビエフェアの料理をお披露目した(24日、千葉県庁)

千葉県は「インスタ女子」らを招き、房総ジビエフェアの料理をお披露目した(24日、千葉県庁)

県は若年層や女性を対象にした「新人ハンター入門セミナー」を2月17日に催す。17年3月に続いて2度目の開催で、今回は定員を120人と初回の3倍に増やす。現役のハンターが狩猟や解体方法について説明するほか、光線銃を使った模擬体験などを予定している。

前回のセミナーには定員の8倍近い応募者が殺到した。応募窓口を務める県自然保護課の担当者は「ジビエへの注目が集まり、一般の方々の鳥獣捕獲に対する関心も高まっているようだ」と話す。今回も応募が定員を超えた場合は抽選とする。県内で狩猟免許を持つハンターは高齢化が進んでおり、セミナーを通じて新たな担い手候補を育成する。

イノシシやシカを食用にするには厳しい衛生管理ルールがあり、ハンターを増やすだけでは消費拡大は難しい。県は加工に必要な知識を普及するため、食肉加工業者やハンターらを対象にした「野生鳥獣肉処理衛生管理講習会」を2月に初めて開く。

県内はジビエの加工処理のノウハウを持つ人材が少なく「消費拡大へのボトルネックとなっていた」(県農地・農村振興課)。講習会は2日間の日程で衛生管理ガイドラインや法令を学ぶほか、イノシシの解体現場を見学する。

有害鳥獣の駆除を加速するため、狩猟規制も大幅に緩和した。これまではニホンジカの狩猟対象地域を県内9市町に限っていたが、17年度から県内全域に拡大。1人あたり年間20~40頭としていた捕獲上限も撤廃した。

県内の有害鳥獣による農業被害は増加基調が続いており、16年度は4億6539万円と前年度に比べて19%増えた。そのうちジビエの主力品目であるイノシシ、ニホンジカは合計で2億8022万円と被害全体の6割を占める。

県はイノシシやシカの捕獲から食肉加工まで一連の工程に携わる人材を増やし、ジビエの安定供給体制を構築するねらいだ。ジビエ需要が高まれば「食材」となる有害鳥獣の捕獲に弾みが付くほか、新しい名物料理として訪日外国人(インバウンド)を含む観光客誘致につながる期待がある。

■PRへ、あすからフェア 千葉県は野生の鳥獣肉の消費拡大を目的とした「房総ジビエフェア」を26日から2月25日まで開く。千葉県内や東京都内から47店舗が参加し、県内で捕獲したイノシシやシカを使った料理を販売する。消費者が県内産のジビエに触れる機会を増やし、県内外での認知度向上をめざす。

フェア開催は2016年夏、17年冬に続いて3回目。洋食や和食、中華料理など84種類の料理をそろえた。参加店で対象料理を食べた客には、房総ジビエの加工品や千葉県産のブランド水産物などを抽選で贈る。

滝川伸輔副知事はイノシシやシカを使った料理を試食し、ジビエの需要拡大をめざす(24日、千葉県庁)

滝川伸輔副知事はイノシシやシカを使った料理を試食し、ジビエの需要拡大をめざす(24日、千葉県庁)

24日にはフェア開幕に先立ち、SNS(交流サイト)で積極的に情報を発信する若い女性らを招き、代表的な料理の内覧会を県庁内で開催。イノシシ肉の黒ビール煮込み、鹿肉のローストなど5品目を披露した。イノシシ肉のテリーヌを試食した滝川伸輔副知事は「繊細な味わいで、スパークリングワインや辛口の白ワインにぴったり」と太鼓判を押した。

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