2019年8月25日(日)

輸出 強まる景気拡大効果 昨年10~12月、中国向け過去最高

2018/1/24 22:00
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輸出の景気押し上げ効果が拡大している。財務省の貿易統計をもとにした民間調査機関7社の予測によると、2017年10~12月期の輸出は実質経済成長率(年率換算)を1.5ポイント押し上げる。7~9月の1.0ポイントを上回る。好調な米景気や世界的なスマートフォン(スマホ)需要がけん引役になっているほか、中国政府による環境規制も鉄鋼などの出荷を押し上げている。

財務省が24日発表した貿易統計によると、17年10~12月の輸出額は20兆9166億円と、リーマン・ショックが起きた08年7~9月以来となる20兆円台を回復した。中国経済の減速で輸出が落ち込んだ16年4~6月から1年半で2割増えた。

地域別に見ると中国向けは4兆2411億円と過去最高となり、14年7~9月以来、3年ぶりに米国向けを逆転した。米国向けは4兆619億円と07年10~12月以来、10年ぶりに4兆円台を回復しており、米中をけん引役に日本からの輸出は順調に伸びている。

日銀が同日発表した10~12月期の実質輸出も前期比で2.4%増加した。7~9月の1.9%増に続き、2期連続で前期を上回った。輸出による10~12月期の実質成長率の押し上げ効果が民間7社の平均値の1.5ポイントになれば、16年10~12月期の2.1ポイント以来、1年ぶりの高水準になる。

輸出増の背景にあるのが好調さを保つ米景気だ。米国内の生産や設備投資の拡大を受け、掘削機など建設用・鉱山用機械の日本からの輸出額が12月は前年同月比40%伸びるなど、一般機械が大きく増えている。

中国向けの輸出が伸びた背景にも米国の消費拡大がある。中国から電気製品やおもちゃといった最終製品の対米輸出が増え、これに伴って「中国での生産に必要な機械や部品が日本から供給されている」(第一生命経済研究所の新家義貴氏)ためだ。

中国の17年の対米貿易黒字は過去最高を更新した。12月の日本の対中輸出のうち、スマホの構成部品をつくるのに使う金属加工機械は前年同月比で88%増えた。世界的なスマホ需要もけん引役だ。業界団体の日本半導体製造装置協会によると、17年の半導体製造装置の輸出額は過去最高を更新した。

中国は環境対応が遅れた工場の操業を絞っており、日本からの鋼材などの輸出が増えている。環境性能に優れた日本の製品の輸出拡大の余地は広がっている。

経済協力開発機構(OECD)の景気先行指数は17年11月まで上昇が続く。18年前半までは世界経済の安定成長が続くことを示唆している。主要国が軒並みプラス成長する「グレートモデレーション」(大いなる安定)が続けば、日本の輸出にもプラス材料だ。

ただ、18年1~3月は米国の寒波による消費の落ち込みや政府機関閉鎖による混乱などの懸念材料もくすぶる。農林中金総合研究所の南武志氏は「秋に中間選挙を控えるトランプ米政権が、保護主義的な姿勢や日本を含めた経常黒字国への圧力を強める可能性もある」と指摘している。

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