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進化を楽しむ(廣瀬俊朗)

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スポーツに不可欠 誠実さやフェアを考える

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2018/1/26 6:30
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今季のラグビーの国内シーズンが終わった。日本選手権決勝を制し、トップリーグを2連覇したサントリーで印象的だったのが、若い選手の勢いやひたむさきだった。

たとえば、FW第1列。左プロップの石原慎太郎が入部5年目、フッカー北出卓也は3年目で、右プロップ須藤元樹は2年目だった。経験がそれほど豊富でない選手たちが決勝という舞台でここまでやれるのは素晴らしい。

バックスでもCTB中村亮土やSH流大がさらに成長した。

流(左)は声をよく出し、リーダーシップも発揮していた=共同

流(左)は声をよく出し、リーダーシップも発揮していた=共同

流は試合の展開もよくわかってプレーできていたし、安定感も出てきた。声をよく出し、リーダーシップも発揮していた。仲間から信頼されている様子が伝わってきて、いいキャプテンになってきていると思う。

今季途中に加入した23歳のナンバー8、ショーン・マクマーンの突進力も効いていた。タイプとしてはサントリーよりも、前に出るラグビーを得意にしてきた東芝にいそうな選手だが、他のメンバーにはない特長でチームのスパイスになっていた。

新しい力とベテランの力がかみ合い、決勝では攻守でレベルの高いプレーをできた。ディフェンスでは規律を守り、一人ひとりが正確なタックルをする。攻撃でもボールを左右に動かしてSOマット・ギタウの正確なキックで仕留めた最初のトライは狙い通りだっただろう。

敗れたパナソニックは2人の外国人選手の負傷交代がやはり痛かった。SOベリック・バーンズがいなくなったことで、攻撃がやや単調になってしまった。交代で入った山沢拓也も将来が楽しみな選手だが、試合全体をデザインする力ではまだ向上の余地がある。

ボール奪取力の高いデービッド・ポーコックの不在で、試合の流れを変える大きなプレーも減った。彼ら2人がプレーしていればどんな決勝になったのか、見てみたかった。

プレー止まってもサントリーは結束

サントリーのエネルギーは、プレーが止まったときにも感じられた。円陣を組んで話し合う回数もパナソニックよりも多く、結束している様子が見て取れた。試合を見ながら、サントリーのこの試合に懸ける意気込みはいつにも増してすごいと感嘆していた。

廣瀬俊朗氏

廣瀬俊朗氏

それだけに、この4日後、ジョージ・スミスの逮捕が報道で明らかになったのは残念だった。事件が起きたのは2週間以上前の昨年12月31日。本人が否認しており、判断が難しい状況だったのは事実だが、そのことも合わせて日本選手権の前に発表してほしかった。

スポーツの価値を考えたとき、誠実さやフェアということは大きな意味を持つ。事情があったにせよ、何か隠し事をしているような状況で試合に臨むことは、選手の立場からすると少し苦しかったと思う。

僕の現役時代の東芝でも、2008年度のトップリーグの終盤に部員が薬物検査で陽性となる問題が起きた。シーズン最後の日本選手権への参加は辞退したが、2度目の検査で違反が確定する前に行われたトップリーグのプレーオフには出場することになった。

当時、主将として苦しい思いもしたし、他の選手も同じような気持ちを抱いていただろう。ただ、問題が世の中に明らかになっていた分、「自分たちが今やれることをやろう」とチームが気持ちを一つにできる面はあった。

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