J&J赤字に、税制改革で一時費用 10~12月
売り上げは増加、がん新薬販売好調
【ニューヨーク=平野麻理子】医薬・日用品の米ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が23日発表した2017年10~12月期決算は、最終損益が107億ドル(約1兆1800億円)の赤字(前年同期は38億ドルの黒字)だった。税制改革に伴う一時的な費用を136億ドル計上し、利益を打ち消した。がん治療薬の販売が好調で、売上高は前年同期比12%増の202億ドルだった。
新税制では企業が海外に留保した利益に最大15.5%の税金を課す。海外売り上げが大きいJ&Jでは10~12月期決算にこの影響が出たが、長期では法人減税による利益の底上げ効果が期待できる。アレックス・ゴースキー最高経営責任者(CEO)は減税効果を「米国内での投資にあてる」との考えを示した。
処方薬の販売が伸び、同部門の売上高は18%増の97億ドルだった。血液がん治療の新薬「ダラザレックス」の売り上げが全世界合計で86%増え、売り上げをけん引した。
23日の決算資料によると、18年通期では806億~814億ドルの売り上げを見込む。1株利益の予想は8~8.20ドルとし、アナリスト予想の平均を上回った。