特定失踪者家族会 オランダ・ハーグに出発 国際刑事裁判所に捜査訴え
北朝鮮に拉致された可能性が否定できない「特定失踪者」の家族会が23日、オランダ・ハーグの国際刑事裁判所(ICC)に北朝鮮の金正恩委員長を拉致の責任者として捜査するよう申し立てるため、現地へ出発した。
ハーグに向かったのは新潟県の大沢孝司さん(失踪当時27)の兄で家族会の昭一会長(81)ら同会のメンバー。拉致被害者の増元るみ子さん(同24)の弟の照明さん(62)も同行した。
ICC本部に「拉致は人道に対する犯罪」と訴える申立書を提出する。横田めぐみさん(同13)ら政府認定の拉致被害者12人と失踪者545人分の名簿も添付。金氏を、拉致の事実を知りながら被害者を隠蔽している「事後的共犯」とし、捜査を求める。
大沢会長は「何とか家族を救出したいという思い。国際社会の力も借りて拉致問題を解決したい」と話していた。
ICCはオランダ・ハーグにある常設の国際裁判所。戦争犯罪や人道に対する罪などを犯した個人を裁く機関で、2002年に設立条約が発効した。スーダン西部のダルフール紛争を巡っては、民族紛争を巡る戦争犯罪などの容疑で同国のバシル大統領に逮捕状を出したこともある。