ダイソーの調理グッズ5選 本格ヘラやスキレットも
プロも驚く100均の調理グッズ(下)

合羽橋の老舗料理道具店「飯田屋」の6代目、飯田結太氏がイマドキの調理道具を徹底比較。今人気の高い100円均一ショップ(以下、100均ショップ)の調理グッズはプロの目から見て使えるのかどうかを検証する。最終回の今回は「ダイソー」で見つけたスグレモノ調理グッズを紹介する。
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こんにちは、飯田結太です。今回取り上げる100均ショップは「ダイソー」です。飯田屋で販売している商品に似たものがたくさんあったというのが正直な感想です。それらをどうすればコストを抑えられるかということがよく考えられていて、用途は同じでも素材感がリーズナブルだったり、機能にあまり関係のない部分は素っ気ない作りだったりするんです。でも、プロ仕様のものは決して安くないので、試しに使ってみたいという入門編としては十分。テレビや雑誌で取り上げられた製品がいち早く並んでいることにも驚きました。そんななかでこれは使ってみたいと思った調理道具を5つ紹介します。
定量を簡単に測れるキャップ
バーでカクテルを作るときに、バーテンダーがボトルから直接グラスにリキュールを入れるのを見たことがあると思います。そのときにボトルの注ぎ口につけているのが、定量だけ出るように作られているキャップなんです。コントロールキャップとも、ポアラーとも呼ばれています。これをダイソーで見つけたときは驚きました。業務用としては1000円を超える商品も多い。それなのに100円で売られている。ここまで価格破壊が進んでいるのかと思いました。
これは、キャップを下に向けることで、定量(1オンス=約30ml)を測れるもの。正確性が求められる製品です。実際に水で注いで見たところ、少しコツが必要ですが、垂直に向けることで、中に入っているステンレスボールが注ぎ口で止まり、ちゃんと1オンスの液体が注げました。これが100円だったら、自宅にあるボトル全てに付けてもいいですね。

耐熱230度、プロも驚く本格派のスパチュラ
シリコン製、しかも一体成型のスパチュラ(ヘラ)です。シリコン製ということで最初に驚き、次に一体成型で驚き、そして、耐熱230度でとどめをさされました。だいぶリーズナブルになったとはいえ、業務用のシリコン製商品は100円では購入できません。しかもこれは一体成型で継ぎ目がないので衛生面でも安心、耐熱230度なので、炒め物に使用しても問題ありません。ここまで本格的なスパチュラなら、有名メーカーの製品にも劣らないと思います。
色はミントブルーのほかにピンクもあります。サイズも2種類あるので、大小で購入してもいいですね。

ドレッシングもラクラク、150円のハンドミキサー
ミニサイズとはいえ、電池式(単3電池2個、別売り)ハンドミキサーが150円なんてびっくり。スイッチを入れるとしっかりかき回すので、ほんの少しだけ卵白や生クリームを泡立てたいとき、カプチーノのスチームミルク、少量のドレッシング作りなどにとても重宝します。これなら引き出しにも入るので収納場所にも困らないし、使いたいときに手軽に使えます。さらに先端部分は取り外して洗えるので清潔に保てます。コードがないので使いやすいし、持ちやすい形になっているところがスゴイ。

コスパ最高、人数分の「みそ」がとれる棒
今、みそ関連のグッズがじわじわと人気上昇中で需要が高くなっています。飯田屋でもみそ関連グッズのコーナーを設けているほど。みそを取るためのグッズはたくさんありますが、これは2杯分、3杯分、4杯分の目盛りがあり、みそのなかに差し込んでぐるりと回せば適量が取れるというアイデア商品。混ぜ棒にもなるし、私も使いたいと思いました。コスパがとてもいいですね。

家族分欲しくなるミニスキレット
100均ショップでもいろいろな値段設定があることを知りました。このスキレットは300円。ここ2~3年、アウトドア料理はもちろん、家庭でもスキレット料理が人気。その人気を受けて店頭に置いたのでしょう。その行動力に脱帽です。
これは、表面や取っ手部分がすこし凸凹すぎるなど、つくりに雑な部分はありますが、板の厚みはしっかりあるし、もともとアウトドアで使うものとして作られた調理道具なので問題ないですよね。これでアヒージョなどを作ったら喜ばれると思います。しかもオーバル型なんておしゃれです。もしかしたらすでにレストランで使っているプロもいるかもしれません。300円なら家族分購入しても損はない。ハンバーグを載せてテーブルに出せば、アツアツのまま食べられるので冬に最適です。

ダイソーの商品の充実度、幅広さに圧倒されました。プロも顔負けです。商品のなかにはスグレモノとそうでない商品が同程度あって振り幅は激しいかもしれませんが、宝物もたくさん見つかりそう。プロとしては定期的に偵察に行かないといけないと思いました。(談)
(文 広瀬敬代、写真 菊池くらげ)
[日経トレンディネット 2017年12月14日付の記事を再構成]
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