2018年10月21日(日)

中国「二人っ子政策」はや効果薄れ 出生数減少
17年、2年ぶり

2018/1/22 21:00
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【北京=原田逸策】2017年の中国の出生数は前年より63万人少ない1723万人だった。すべての夫婦に2人目の子どもを認める「二人っ子政策」が始まった16年は大幅に増えたが、早くも政策効果が消えつつある。60歳以上の高齢者が全人口に占める割合は上昇しており、中国の本格的な少子高齢化が顕著だ。

中国は15年秋、30年余り続けてきた一人っ子政策の撤廃を決め、16年から全夫婦に2人目の子供の出産を認めた。国家統計局によると、16年の出生数は前年比131万人多い1786万人で99年以来の高水準。人口問題を担う国家衛生計画生育委員会は「二人っ子政策」の効果が本格的に表れるのは18年以降で「18年も出生数は安定的に増える」と説明していた。

それが政策開始から2年目で減少に転じたのは1人目の出生数が16年より249万人も減ったため。2人目は同162万人増えたが補えなかった。計画委は15年に「二人っ子政策で出生数は2千万人を超す」と予測したが実現は難しそうだ。

原因の一つは教育費の高さだ。塾や習い事の費用がかさみ、都市部では2人目の出産に慎重な家庭が多い。中国では大部分の家庭が夫婦共働きだが、手ごろな価格で安心して子どもを預けられる幼稚園も足りない。20歳代の女性の数も減り、都市部で進む晩婚化や非婚化も影響した。

一方、高齢化は加速している。統計局によると60歳以上の高齢者は17年に前年より約1千万人多い2億4090万人。全人口に占める比率は前年より0.6ポイント高い17.3%に上昇した。高齢者を支える16~59歳の働き手は9億199万人と、12年から6年連続で減少。政府系シンクタンクの中国社会科学院は17~22年に18~44歳の人口は計3千万人減るとみる。

少子高齢化で年金や医療保険をはじめとする社会保障財政は悪化する。例えば、サラリーマンらが加入する都市従業員基本年金の場合、16年は総収入の16%にあたる4630億元(約8兆円)を財政から補填した。

中国全体でみると1人の年金受給者を約2.8人の加入者が支えているが、少子高齢化が進んだ東北部の黒竜江省は1人の受給者を1.3人の加入者が支える。年金の支え手が少なくなれば、財政補填は増えるため国家予算を圧迫しそうだ。

少子高齢化の流れが変わらないことがハッキリしたことで、今後は社会保障支出の抑制策をどう打ち出していくかが焦点になる。年金受給開始年齢の引き上げや年金受給額の削減などが検討課題になっているが、高齢者らの反発を恐れてなかなか実現していない。

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