インド高速鉄道、初弾工事は大林・JFEエンジJV
インド高速鉄道の施工方法などを検討するプレコンストラクション・サービス業務について、国際協力機構(JICA)は初弾工事となるアーメダバード駅工区のプロポーザルで大林組・JFEエンジニアリングJV(共同企業体)を特定した。2018年1月10日に評価結果を公表。同JVと価格交渉をしたうえで、契約を結ぶ予定だ。

プレコンストラクション・サービスは、難工区の施工を円滑に進めるためにJICAが採用した包括的建設サービスの一部。受注者は、設計者がつくる設計図書や施工計画の改善の検討や、下請け会社への業務発注書類の作成を手掛ける。その後にインド政府が発注する施工についても、原則としてプレコンストラクション・サービスの受注者が契約を結ぶ。
インド高速鉄道の土木工事では、ムンバイとアーメダバードの2つの都市を結ぶ延長505kmの路線を、7工区に分けて発注する予定だ。今回、JICAがプロポーザル結果を公表したのは路線の北端に位置し、アーメダバード駅とサバルマティ駅の建設を含む18.1kmのC-7工区。円借款事業を補助する「有償勘定技術支援」としてJICAが発注した。

同工区は、ほぼ全区間にわたって高架の高速鉄道と地上の在来線が並走し、互いに交差する場所もある。さらにアーメダバード駅は既存のホームを供用しながら、その上に新たなホームを造る必要があり、工事の難易度が高い。
C-7工区のプロポーザルには2者が参加した。大林組JVは100点満点中80.31点を獲得し、他者に9.11点の差をつけて1位になった。包括的建設サービス方式はC-7工区のほか、バドーダラ駅を含むC-5工区にも適用している。現在、プレコンストラクション・サービスの委託先を選定中だ。
(日経コンストラクション 夏目貴之)
[日経コンストラクションWeb版 2018年1月22日掲載]
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