米軍「航行の自由」作戦か 中国「強烈な不満」
スカボロー礁に軍艦

中国・台湾
2018/1/20 18:35
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【北京=永井央紀】中国外務省の陸慷報道局長は20日、南シナ海で中国が主権を主張するスカボロー礁(中国語名・黄岩島)から12カイリ以内の海域を米軍艦が17日に航行したと談話で明らかにし、「強烈な不満」を表明した。米側は公表していないが、南シナ海で中国の軍事拠点化に対抗する「航行の自由作戦」を実施したとみられる。トランプ政権下では2017年10月以来5回目となる。

中国外務省の談話によると航行したのは米ミサイル駆逐艦で、中国側は艦を識別したうえで同海域から離れるよう警告した。談話は「米国が挑発行為を止めるよう強く促す」とし、「必要な措置を採り、中国の主権を守る」と対抗策も示唆。「中国はスカボロー礁に争う余地のない主権があり、いかなる国も航行の自由の名のもとに中国の集権や安全を損ねることに反対する」と主張した。

中国国防省も談話を発表し、中国側は軍艦「黄山号」が対応したと明らかにしたうえで、「中国海軍は引き続き防衛の職責を履行し、海や空のパトロールを強化する」とした。「南シナ海情勢が安定に向かっている状況下で、米国がまたしても軍艦を派遣したことは両軍関係の発展に逆行する」とも訴えた。

スカボロー礁はもともとフィリピンの漁場だったが、12年に中国が実行支配を奪ったためフィリピンは国際的な仲裁裁判に提訴して対抗。オランダ・ハーグの仲裁裁判所が16年に中国の主張を否定する判決を出したが、中国は「紙くず」と称して無視し、今も実効支配を継続している。

フィリピンのルソン島から約200キロ西に位置するスカボロー礁は南シナ海の要衝と位置づけられる。中国が埋め立てによる人工島建設やレーダー配備などを進めると、南シナ海での警戒監視能力が大きく向上する。米軍は軍事行動が制約されることを警戒し、軍事拠点化しないよう中国に求めている。

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