ランサーズ、働き手向けに融資サービス開始
クラウドソーシングのランサーズ(東京・渋谷、秋好陽介社長)は同社に働き手として登録している人を対象にした融資サービス「フリーランスレンディング」を始めた。登録者の大半を占めるフリーで働く人たちは大手の金融機関から融資を受けにくく、クレジットカードを持てない場合もある。報酬を受け取るまでの間の生活に困ったり、耐久消費財を購入しにくかったり、自己のスキルアップのための投資が難しかったりする問題を抱えている。登録者を支援する姿勢を示し、高いスキルを持った人を自社に引き寄せる狙いがある。

オンライン融資プラットフォームを開発・運営するクレジットエンジン(同・品川、内山誓一郎社長)と提携、貸金業の免許を持つ同社を通じて融資する。ランサーズでの業務実績や報酬額と対象者の信用情報をもとに、融資できるかどうかをクレジットエンジンが審査する。融資額は最大で100万円。金利は融資残高が100万円未満の場合で年13~18%、100万円の場合は8~15%。
ランサーズは働き手として登録している人の数は公表していないが、2017年3月期の売上高は21億円だった。17年12月にはパーソルホールディングスと新生銀行を引受先とする第三者割当増資で10億円を調達した。
クラウドソーシングでランサーズと競合するクラウドワークス(東証マザーズ上場)も17年12月にCAMPFIRE(キャンプファイア、東京・渋谷)と組んで働き手向けの融資サービスを始めている。正社員の負担を減らすため、周辺業務を社外に発注・委託する企業が増えている。クラウドソーシングの需要もそれに比例して高まっており、ランサーズやクラウドワークスは有能な働き手の確保を迫られている。