2019年5月21日(火)

アサヒ飲料、稼ぐ力磨く 群馬に大型物流施設

2018/1/19 13:48
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アサヒ飲料は19日、群馬県館林市内に大型の物流施設を開いた。投資額は約55億円。関東の工場などで作った製品をいったん同物流施設に集めて大型トラックでまとめて取引先に配送する。運転手不足などで輸送コストがかさむなか、効率化につなげる。少子高齢化で国内の清涼飲料市場は成長が頭打ちになりつつある。物流、生産の両面で効率性を高め、稼ぐ力を磨きたい考えだ。

 「群馬配送センター」(群馬県館林市)はアサヒ飲料の物流施設としては最大規模となる

「最適な生産物流体制を構築する」。同日、完成した物流施設「群馬配送センター」でアサヒ飲料の岸上克彦社長は意気込んだ。

群馬配送センターは2階建てで、倉庫の総面積は約3万5千平方メートル。約170万ケースを保管する能力があり、1日最大で約250台の大型トラックが出入りできる。

「カルピス」ブランドの製品を作ってきた近隣の群馬工場では、2016年からアサヒ飲料ブランドの製品も生産している。新センターを通じて今後の物量の増加に対応する。

群馬配送センターは北関東への配送拠点とも位置付ける。これまでは各地に散らばる工場が異なる製品を生産し、それぞれの取引先に配送してきた。今後、同センターは主に関東圏で生産した製品を集約し、大型トラックでまとめて配送することで物流効率を高める。

さらに、同センターの稼働により、同社の関東圏の物流の約5%にあたる約1万1千台分のトラック輸送を年間で削減でき、6億円のコストダウンにつながるという。二酸化炭素(CO2)排出量も約23トン抑えられる。

17年の国内清涼飲料市場は前年並みだったもようだ。年前半は各社が主力商品のリニューアルや新商品の投入などにより堅調に推移したが、最盛期の夏場の天候不順が響いて販売が鈍った。

その中で、アサヒ飲料の17年の販売は約2億5600万ケースと、前年より1%程度伸びた。カルピスなど主な6つのブランドに投資を集中する戦略が奏功している。国内市場では3位グループから抜け出し、単独3位の地位を固めている。

とはいえ、中長期でみると人口減を背景に国内市場の大きな伸びは見込みにくい状況だ。収益構造にメスを入れ、稼ぐ力を高めていくことが求められるだろう。

改革に向けた取り組みの一つが自社工場の稼働率向上だ。群馬工場に約50億円を投じ、幅広い製品を生産して稼働率を上げる取り組みはその一環だ。六甲工場(神戸市)では約20億円を投じて炭酸水「ウィルキンソン」の生産を12月から始める。7割強の自社生産比率を2~3年後に「8割に引き上げたい」(岸上社長)方針だ。

トラック運転手の不足を背景にして物流費が高騰するなか、物流面ではさらに踏み込んだ施策も必要になりそうだ。グループのアサヒビールは17年9月、他のビール大手3社と北海道で製品の共同配送を始めた。岸上社長も「具体的な動きは現状ないが、他社との協業を視野に入れながら取り組む」と話す。

アサヒグループホールディングス(GHD)ではアサヒ飲料を中心とした清涼飲料事業で17年1~9月の事業利益が320億円と前年同期に比べ25%増と大きく改善した。頭打ちの市場のなかでの収益の改善を投資家も評価しており、18年1月に株価が上場来高値をつけた。効率化による、さらなる収益力の拡大に期待がかかる。

(新沼大)

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