2018年5月22日(火)

根付くか「相乗りタクシー」 22日から都内で実験

2018/1/18 19:40 (2018/1/18 23:36更新)
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 都内タクシー大手と国土交通省は22日、共同で「相乗りタクシー」の実証実験を始める。複数の乗客をスマートフォン(スマホ)の配車アプリで束ねて、運賃負担を減らす狙い。需要掘り起こしへライドシェア大手の仕組みを日本に持ち込む。知らない人と乗る抵抗感を解消できるかが焦点だ。

 「タクシーになじみがない若年層を取り込みたい」

 日本交通(東京・千代田)の川鍋一朗会長は18日、実験に先立ち東京ハイヤー・タクシー協会(同)が開いた記者会見でこう強調した。「生産性が上がる」と述べ、深刻な人手不足問題の解決につながるとの認識も示した。

 実験は23区など都内で22日から3月11日まで実施する。都内大手の日本交通と大和自動車交通の2種類の配車アプリを使う。大和自動車のアプリでは、利用者が乗り場と出発時刻、行き先を設定して募集する。同乗者はこれを見て応募し、指定された場所に向かう。乗客は同じ場所から乗り、目的地に着く度に1人ずつ降りていく。最大3人まで乗車できる。

大和自動車交通の配車アプリの画面

大和自動車交通の配車アプリの画面

 日本交通のアプリでは2人まで同乗可能だ。出発地と目的地を指定すると、同じ方向に向かう人をアプリが仲介してくれる。2人が同意すると相乗りが確定。1人目を乗せてから次の乗客を迎えに行く。車両の場所はアプリの地図上でリアルタイムで表示される。

 相乗りの最大の狙いは、運賃負担を減らすことだ。仲介が成立するとアプリで移動ルートを割り出し、距離に応じて合計運賃を算出。それぞれ単独で利用した場合の乗車距離を加味して決める。運賃は乗る前に確定し、支払いはアプリ上で完結する。2人だと最大4割安くなり、通勤や通学など長距離でタクシーに乗りやすくなる。

 配車サービス世界大手の米ウーバーテクノロジーズは米国やアジアで複数の乗客が自家用車に相乗りする「ウーバープール」を手がける。日本では自家用車による「有償運送」は白タクとして禁止されている。今回の実験は運転手がタクシー乗務員という点で異なる。規制緩和が進まない日本では、タクシー会社が旗振り役になっている。

 都内のタクシー大手は硬直的だった運賃を最近、柔軟に変えてきている。2017年1月には初乗り運賃を変更し、短距離で乗りやすくした。同8月には乗車前に運賃を確定する「前決め運賃」の実験を実施した。だが乗る距離にかかわらず安くなるのは今回が初めてだ。それだけに「(運賃改革の)真打ち登場だ」(川鍋会長)と期待は大きい。

 もっとも課題は多い。アプリの利用者を十分に確保できなければ、複数の乗客をタイミング良く仲介するのは難しい。日本交通のアプリは400万ダウンロードを超えるが、川鍋会長は「今の顧客の中でどれだけ仲介できるかは大きな挑戦だ」と話す。

 一般の消費者にとっては初対面の人と一緒に乗るのは抵抗感もありそうだ。日本交通のアプリでは助手席と後部座席に分かれて乗ることで安全性を高める。大和自動車は性別が違う人を仲介しないように設定できる。両社や国交省は、実験を通じて利用者の需要動向やサービスの運用方法をきめ細かく探っていく。

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