トルコ「即座に断固たる措置」 シリアのクルド人勢力に圧力
【イスタンブール=佐野彰洋】トルコのエルドアン大統領は17日、国家安全保障会議を開催した。同会議は声明で、トルコとの国境地帯を実効支配するシリアのクルド人勢力について「脅威の撃退に必要な措置を即座に断固として講じる」とした。
トルコの国家安全保障会議は安保問題の最高意思決定機関で、大統領、首相、軍や情報機関のトップらで構成する。
トルコはシリアのクルド人勢力、民主連合党(PYD)が支配するシリア北西部アフリン制圧を目的とする軍事作戦を検討しており、国境地帯に戦車部隊を集めるなどして圧力を高めている。
過激派組織「イスラム国」(IS)を掃討する米軍主導の有志連合がPYD傘下の民兵を恒久的な「国境警備部隊」に衣替えさせる準備を進めていることに関しては、「テロリストをパートナーと宣言するのは遺憾だ」と米国を非難した。
PYDは分離・独立を掲げトルコ国内でテロを繰り返してきたクルド労働者党(PKK)の兄弟組織で、トルコ政府はPYDとPKKを国家安保上の最大の脅威と位置づけている。
ティラーソン米国務長官は17日、トルコの懸念に「耳を傾け、真剣に受け止める」と述べ、北大西洋条約機構(NATO)を通じた同盟相手との対話に努める考えを示した。